魔法世界で前衛音楽の始祖になったら崇められた

異世界転生ものの枠組みを巧妙に利用し、ノイズをはじめとした前衛音楽を魔物と戦い民衆を統べる手段として大々的に取り扱う、という野心に満ちた本作。
「前衛音楽」という言葉にピンと来ない人もなんら問題なし！振り切ったケレン味が炸裂するドライブ感とキレのある笑いに満ちており、ノリは極めてライトと言えよう。そんな中でも引き出しの広さを否応なしに感じさせる言葉選びが、既存のライトノベルとは一線を画す読み味を演出している。阿呆だけど憎めない音楽馬鹿の主人公たち、ノイズバンド「毒人参（ヘムロック）」連中の愛嬌にはいつしか笑いを超えた癒しすら覚えるようになるはずだ。
そして「前衛音楽」という言葉にピンと来た同…続きを読む

音楽をテーマに据えている作家ゆえか、とにかくテンポが良い。
ライトノベルらしい読みやすさに、音楽の知識が山盛りに詰め込まれている。
異世界転生ファンタジーの設定を上手く使って、「バンドの最強チート」を実現している。
ボアダムスの名前をカクヨムで見るとは思わなかったので、一発で筆者は引き込まれてしまった。
ちょっと変わった異世界転生を読みたい読者なら、マスト。
腹抱えて泣きながら読んでしまった。おススメ！

まさか練炭自殺からの女神による転生と異世界で魔王を倒す羽目になるとは……！
しかも主人公が売れないバンドのメンバー！ここも新鮮で今まで読んできた中では意外すぎる主人公でした。
前世では受け入れられなかった自分たちの音楽が、異世界では受け入れられてその上崇拝されていく。その快感や救われたという思いの強さは、他人では想像し得ないものだと思います。
このまま主人公たちにはロックでハードな生き様をこの世界で披露して欲しいと思います。

続きが気になる小説の一つになりました。
楽しみです。よろしくお願いします。