コフコッフ編

第027話 ミカエラがホームシックになったので

 何はともあれ、魔王城(概念)は大盛況だ。出した利益で専門の職員を雇い、イベントの主催やその他の運営に関しては、こちらから通信で指示することにした。いやー。みんなが楽しんでくれる総合型エンターテインメント施設になっちゃったな。しかも、売り上げの一部を付属孤児院に寄付しているという……。チクショウ。こんなことがやりたかったんじゃあないッ。僕は『世界征服』がしたいんだッ!


「ふぁあ、暇ですの」

 グレネード投げながら、そんな間の抜けたセリフを吐かないでくれミカエラ。ほら、イノシシ爆殺しちゃったじゃないか。肉片になってるよ。

「そうですよねー。最近。クエストもおいしいのがないですし」

 リンさんは、大鎌で鹿の血抜きをする。……蟲たちのエサってこともあるし、手慣れてるのかな?(血まみれリンさん)

「あ、燃やしちゃった♡」

 シオリがアールバを召喚して、森林を燃やし始めた。あーあ……。

「オルァ、このモンキーどもッ。弱すぎんだよ」

 オトカは相変わらず罵声を浴びせている。あんた最強だからね。しょうがないね。


「はぁ……」

 今日は、三回『ぐはぁ……』がありました。くるしかったですまる。

「ん? どうしたミカエラ。寂しそうな顔して」

「ケイ。最近私思うことがあるんですの」

 ミカエラは、最近いつもの無邪気な可愛さ(概念)がない。何があるのだろうか?

「私、ホームシックみたいですの!」

「そ、それは!」

 リンさんが、ミカエラちゃんに駆け寄る。

「大変です皆さん! ミカエラちゃんの親愛なる祖国が恋しいみたいです! 今すぐ皆さんでコフコッフのギルドに移住しましょう。今すぐです! ミカエラちゃんがこんな悲しい顔をしているなんて耐えられません!」

 わ、わかった。移住しよう(白目)。

 そしてまた会議である。


「で、思うんだけどさ。ケイ」

 シオリが話し始める。

「どうやってコフコッフに行くんだ?」

「え、そりゃあ飛行船で」

「お前バカなのか? コフコッフは厳重警備の国家。交易や国交はしているけど、観光客はあまり受け付けてもらえないんだぞ?」

「……どうするんですか?」

「密入国」

「またそれかよ」

 こいつ、犯罪のことしか頭にねぇのかよ!

「そんなことしなくても、ミカエラちゃんの件だと伝えれば入れてくれると思うのですが」

 リンさんが困った顔で言う。

「ノンノンノン! リンさん。シンエン王国の開国の影響で、今は国が厳戒態勢。一部の役人じゃないと出入国はできないようになってるの!」

 シオリがそう言った。こまったなぁ……。

「うわあああああん! お父様に会いたいですの! 会いたいですのおおおおおおおうえええええええええん!」

 あーあー泣いちゃったよ。

「ほらほら、ミカエラたん! シオリおねーちゃんがそんなことどうでもよくなるくらいにトべるお料理作ってあげるからね!」

 シオリが何かしでかす前に、策を考えないと……。

「そ、そうだ。ミカエラ。気晴らしといっちゃあなんだが。コフコッフの厳戒態勢が解かれるまでの間、この大陸で旅行しないか?」

「へ?」

「冒険者稼業と魔王城テーマパークで資金はたくさんあるし、なんなら現地のギルドで稼ぎながら旅するのもありだと思うんだ!」

「そ、そうしますの! じっとしてるなんて耐えられないですの!」

 オトカは、端末を取り出して計算する。

「うーん。なるほど。ここから北上するってわけだ」

 じゃあ、まずはどこに行くか……。

「そうだ。プギャー帝国はどうかな? いいかんじの便があるよ」

「よっしゃ、そうと決まれば出発だ」

 魔王一味はホワイト企業です。福利厚生はばっちり←


「はぁー……、らくちんらくちん」

 オトカが、飛行船の個室でくつろいでいる。あいつ、単に旅行がしたかっただけじゃないのか?

「いいですのー(*´ω`*)」

 ミカエラも、気分がリラックスしている。やっぱり休養も必要だな。

「は、はわわわわわわ天使のミカエラちゃんがさらに天使に」

 リンさん。恍惚の表情やめて……。

 しかし、そんな平穏は、開始九行でぶち壊されることになる。

 ばあああああん!

「おらおらおらおら! 手をあげて荷物をどけろ! この飛行船は俺たちが乗っ取るぜひゃっはー!」

 うわぁ……。某世紀末のザコみたいな人たちが機関銃もって客室に乗り込んできたよ……。

「ふッ、客室のみんな。安心したまえ。この次期魔王。ケイ・レモネードがいるんだからな。僕に逆らったらどうなるか(以下略)」


「ぐはぁ……」

「なんか、芸がないですの」

 ミカエラ、それは言わないお約束。

「ぐへぇ……」

「言い直しても無駄ですの」

 うわああああああああああああああああん(ノД`)・゜・。

「あ、なんだこの四人?」

「テロリストの皆さん? 今すぐ降伏するですの!」

「なんだと! ガキだからって容赦しねぇぞ、やっちまえ!」

 すると、四天王一同はそのまま魔術を放った。

「コフコッフ最終決戦魔導兵器。カチューシャ!」

「͡蟲ノ術。花散ラシ」

「オトカ・フィナーレ!」

月猫げつびょう。やれ」

「「「「「「「「「「ぎゃああああああああああああ」」」」」」」」」」


 飛行機は、墜落しました。ちゃんちゃん!


「オトカ! オトカ! しっかりしろ!」

 うーん。なんかオトカだけ打ち所が悪かったみたいで、しかも出血がひどいな。

「う、うーん。だんだん手足が冷えていく。あ、お花畑」

「うおおおおおおおしぬぞおおおおおおおお」

「オトカ……色情狂の貴方が結局、処〇のままだったなんて……ぐす、皮肉ですのwwww」

 やめたれミカエラ。

 吸血鬼は、種族の性質上、実現するすべての血液パターンの血清を作ることができる。これを利用して輸血したりするのだが……。

 うーん。なんか嫌な予感がする。

「救急セット持ってきました!」

「おお、リンさんありがとう」

 僕は、救急セットにあった注射針を取り出す。

「ケイ? 何やるんだ?」

「ん? 青〇さんのパロだよ」

「は?」

 何はともあれ、〇野瀬樹斗さんにはあらかじめ謝っておこう。

「オトカ……やるぞ」

「う、うん♡ れて♡」

 やっぱり嫌な予感が的中した。こいつ、ドラマギカ自体を消そうとしてやがるッ!

 オトカ、恐ろしい子ッ!

「くそッこんなところで終わるのか……ドラマギカ」

「はやく……はやくいれてほしいのぉ……」

「ほい(遠い眼)」

 ブスッ。

「ひゃあああああああああん(恍惚)!」

「うーん。体から血が抜けるゥ……」

 僕はやったことあるから慣れているが、輸血に慣れていないオトカは……。

「ひゃん! あッあッあッ! しゅごいのおおおおおおおおおおおおおおおケイの(針)が! 私の中に! はいってくりゅううううううううう」

 ダメだこいつ、早く何とかしないと。

「中に〇して!」

「言わなくても出すぞ、てか出さないと死ぬぞ。あと誤解を招く表現をやめろ」

「激しい戦闘の後のトークはキレッキレだね♡」

「止めろって言ってんだろ針ぬいて殺すぞ!?」

「ケイのモノが私のモノになっていく! 一つになる! 合体! 〇〇〇〇〇〇〇〇〇(自主規制)ッ! 酸素がしびれる! ああああああああああああああ(酸素が)くるううううううううううううううううう」



 文章が乱れております。しばらくお待ちください。

 このあと、めっちゃお説教した(もとはといえば青野さんパロになったのが問題なのであって、いや、オトカが問題なのか? 青野さんが問題なのか? どっちも同じか)。

 なお、オトカはこちらからシチュ()を拝借したようです。暇な人は読んでみてね。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889958912



 to be continued……

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