第038話 ミカエラ嬢の、ワクワク! コフコッフ探検!

 ミカエラは走った。

「はっほーい!」

 うん、完全にシ〇ブをキメたかのような高揚っぷりだ。それもそのはず。ミカエラは今までケイたちとの冒険以外で自由に外に出たことがなかった。

「まずは、そこら辺の飯屋で腹ごしらえですの! お金は拝借してきましたわ!」

 ミカエラは、顔が分からないようにマスクとサングラスで変装して、定食屋に入店する。

「らっしゃいやせー!」

「こども一名! ですの!」

 数分後。

「あむあむもぐもぐ(´~`)」

 ミカエラが魚の塩焼きを堪能していると、テレビからニュースが流れてきた。国営放送だ。

「ここで、臨時ニュースをお伝えします。さきほど、敬愛する総統閣下の娘である『ミカエラ・ミカサ』嬢が、基地から脱走しました。繰り返します。ミカエラ・ミカサ嬢が基地から脱走しました。ミカエラ嬢は拳銃、スタングレネード、催涙弾、コンバットナイフ、バレット、対戦車手りゅう弾、その他もろもろを所持しており、大変危険な状況です。国軍が出動態勢に入り、ミカエラ嬢が拘束されるまで、人民の皆さんは外出しないよう、協力を求めます。以上、公正で安全な社会を実現する。コフコッフ社会主義人民共和国、共産党国営放送局からのニュースでした」

「チッ、国軍のやつらめ、もう出動態勢ですの。この国軍事に関してだけは一流ですの」

 しかし、もう一度速報が入る。

「たった今入った速報です。先ほど、国家緊急事態、レベル5に達したため、『コフコッフ特命管理局軍事部』の出動が発表されました。人民の皆さんは、速やかに頑丈な屋内、または公共シェルターへの非難を行ってください」

 ガチャン。

 ミカエラがコップを落とす。

「お、おのれお父様。ついに特命軍事部まで出してきやがったですの。鼻のきく軍の犬どもめですの! いいですわ、全面対決ですわッ!」

 ミカエラは、鼻息を荒くして定食を完食する。

「店員さん! おかわりですのッ!」


「ふーむ」

 僕は、蟲にたかられながら、リンさんを見つめる。ルーナさんは集合体恐怖症なので、さっき気絶した←

「リンさん。鍵が開かないのか?」

「そそそそそ、そんなことないですよ! し、しっかりやってますよ!」

 なるほど、電子ロックだったわけか。

「あーあ。結局脱出できないじゃん!」

 リジコは、寝ころびながら蟲を追い払った。そして、オトカが立ち上がる。

「……仕方ない。……私がやる」

 お、オトカ? しかし、リンさんは大声で言った。

「オトカちゃん、駄目です! そんなことしたらあなたはッ!」

 何、このシリアスな雰囲気。

「……やるしかない。リンさんたちだけでもッ!」

「だ、駄目だよオトカ!」

 リジコもリンさんに続く。

「みんな……! 頑張って脱出してね! 魔獣化した私も……よろしくッ!( ;∀;)」

 鬱展開魔人め。作者め。

「魔術……電磁場を操作して電子ロックを解除!」

「うわあああああああ」

「おとかちゃああああああん!」

 あたりは白い光に包まれ。


 ずしゃああああああああああああああああああああ!

「「「「!?」」」」


「オトカ……!?」

「いや、無事だけど」

「そ、そうじゃなくてだな。僕の眼がおかしくなければ……牢屋が壊されているのだが」

「ん?」

 何かが飛んできたのか、牢屋どころか、この牢獄がすっぽり穴をあけられていた。

「う、うーん」

 ルーナさんも目が覚めたようだ。

「ここは誰? 私はどこ? シオリはッ!? シオリ!? 無事なの!?」

 自意識よりシオリが前に出てるじゃねーかよ。

「あいつは私が倒すんだッ!」

 ルーナは、翼を生やして開けられた穴から外に飛び出してしまった。光が眩しいな……。

「リンさん……」

「オトカちゃん! 無事だったのね! よかった……、でもいったい誰が?」

 そうだ、こんな砲撃、だれが……。



「こ、これでいいのか?」

「うん! ばっちり! 兵士は今混乱状態だから、さっさと拉致って研究材料にしちゃいましょう♡」

「ニシカも乗り込むのか?」

「ええ、新しい兵器を試すの!(ニチャァ)」

「あ、うん」

 二人は向かう。コフコッフの基地本部に。そして。



「そーい」

 どかああああん!

「ほれ」

 じゅどーん!

「アヒャ!」

 ぼかーん!

ミカエラは、ゲリラ戦に乗り出していた。

「ふっふっふ、やっぱり普通の軍じゃ面白くないですの、特命が出てきてくれたのは正解かもしれませんわ! おーっほっほっほっほ!」

 そのまま、魔導砲を構えるミカエラ。

「人民に幸あれ! モルーニャ(稲妻)!」

 ドゴおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!


 極太レーザーが町を貫く。


 はてさて、どうなることやら……。




「よ、よし。なんとか一階まで降りたぞ!」

「あ、バイクだ!」

 リジコが、僕に続いて出るや否や、自身のバイクを発見する。

「お、お前らは! ま、まて! あぎゃあ!?」

 兵士の顔を踏んづけたリジコは、そのままバイクに飛び乗ってウィリー走行を始めた。

「おっしゃああああああああああ反撃じゃあああああああ」

「リジコ、キャラ変わってない?」

 すると、リンさんも合流した。

「はぁ……はぁ……鎌、見つかりました! これで蟲さんたちを使役できます!」

「おおお!」

「いっけえ蟲さんたちッ!」

 これは心強い。

「コスチュームあったよ! ステッキも!」

 よし、これで一安心だ。


 to be continued……

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