魔王城建設編

第018話 とりあえず、大臣に報告しまする。

 あのシンエン王国が、正式に開国を発表して、世界中は大騒ぎになった。

 数日僕たちは観光(概念)を楽しんだのち、飛行船でいろいろと問題を起こしながら帰った(最悪じゃねぇか)。


 僕たちは、リッター王国のハルトマン空港に、無事五体満足で帰ってきたのだ。

 僕たちは、チェリーに空港で出迎えを受けた。

「みなさーん! お疲れさまでした!」

「あ、うん。疲れたよ(白目)」

 ホントに疲れた、てかストレスで胃潰瘍になってないのが不思議だ(主に四天王のせい)。

「わーい! チェリーさんですの!」

「うふふ、ミカエラちゃん相変わらず元気ね」

「戦闘機での空の旅、楽しかったですの!」

「……?」

 まずい。テロったことがばれる。

「え、えとですね、シンエン王国で、交渉が成立したときに、最新型の戦闘機に乗せてもらったりしたんだよなァ! ミカエラ!」

「そそそ、そうですの! ほんとに操縦が上手かったですわ! おほほほほほほ」

 やれやれだぜ←

「じゃあ、シンエン王国の基地が壊滅させられたって言うのは……?」

「そ、それはですねー(目逸らし)」

「じー」

 やばい、ジト目で見られてる。何か言い訳を思いつかなきゃ! シオリ!

 だめだ。完全に他人事だ。リン!

 うーん、向こうで大鎌を研いでる。オトカ!

 おい、公共の場で袋とじの雑誌を読むんじゃあない!

 すると、空港の窓口から全速力で何かがやってくる。

 うん? あれは……。

「見つけたぞおおおおおおおおおおシオリいいいいいいいいい!」

 あ、ルーナさんだ。ども。

「お、ルーナじゃん。何? 俺に依存してるの? それともアタマ足りてないの?」

 やめろ、シオリ。『リアル』でしゃべったことを流用するなッ!

「お前だけは許さん! きえええええッ! 死ねェッ!」

「あ、大変です! シオリさんが危ない!」

 チェリーさんが、宝玉が付いた杖を取り出す。

 魔法陣の中にルーナが閉じ込められた。

「ぬおおおおおお、離して下さい! こいつだけはあああああ」

 何があったんだよルーナ。


 カクカクシカジカ。とりあえずルーナが落ち着くまで僕たちは待った。そして、話を聞いたところ。

「ぐすッ、うええええん」

 ルーナさんキャラ変わってない? 最初の方クールで病んでる感じだったんだけど?

「だってぇ! だってぇ、開国したせいで、私の所属する『国家特命』が無くなっちゃったんですよォ! リストラですよォ!」

「つ、つまり失業したのか!?」

 思わず声が出てしまった。

「そうなんですよおおおおおおおおお」

 すると、シオリはおチャラけた顔で、ルーナを煽りだす。

「はっはー! お前はじめじめしながらカタコンベで暮らすのがお似合いなんだよーだ! そのくっだらないプライド捨ててはっちゃけたら褒めてやったのによォ! 自分に向いてない国家特命でわざわざ働こうとした努力に感動を禁じ得ませんわwwwwwwwくっそ腹痛ェwwwww」

 最低だな、こいつ。改めて思ったわ。

「やーいやーい! そっからじゃ手出しできねぇだろー」

 もうこれ、小学生以下だな。

「きえええええええええ止めないで下さ嗚呼ああああああい! こいつを殺したらもう死刑になってもいいですうううううう」

 どんだけ憎んでんだよ。ますます解放できねぇわ。

 空港の職員が、魔法陣の中で暴れまわるルーナと、お尻ぺんぺんをして煽るシオリの対応に追われることとなった……。


 そして、向かったのは中央ギルド。

「えー、報告書は……?」

 ミチナガは、相変わらずふんぞり返っている。腹立つなー。典型的な、やな権力者って感じだわー。最近『失言防止マニュアル』作ったらしいし。部下が『子供を産め』だの、『戦争』だの言ってるせいで、支持率が落ちてるんだと。

「ふむふむ。チェリーさん。これは……?」

「はい。報告書の様ですー!」

「ようですー! って! これどう考えても違うよね?」

 シオリの報告書を見てミチナガ大臣は言う。

 シオリのやつ何書いたんだ……?


『七がつなのか はれ してんのう しおり・ろたすりぶず』

 ん? 上にクレヨンで、独特な絵が描いてある。これ、顔から直接棒みたいな手足が生えてるんですが? シオリってこんなに絵が下手なの? この虐められてるのが僕かな(哀愁)?

『今日は、こきょうのシンエンおうこくに行きました。あいからわず、ヤクヅーケこくおうは、はらがたちました。でも、やっつけられて楽しかったです』


「幼稚園児がする絵日記じゃねぇか、これ」

 ミチナガさん突っ込んでるよ。そりゃそうだよ。

「うわー、ひどいですの。私の報告書の方がましですわ」

「どれどれ」

 僕は、ミカエラの報告書を見る。


『シンエン王国、『ねこまんま』。星三つ。ここでの代表料理といえば、もちろん国民的な冷麺だろう。閉鎖的な島国で作られる独特の麺とスープは、今までにない特徴的な香りをもたらすスパイスとともに、口の中を幸福で満たす。具材はとても多く、しかしバランスがある。鶏肉、バッタだしの粉末、刻んだ玉ねぎ、決してこれよりも多くしても少なくしてもいけないだろう。ここの店主のセンスが光る冷麺と、伝統的な一品料理が……』


「あれ? グルメガイドかな? これ?」

 ミカエラ……お前。

「美味しかったですの!」

 いや、そうだけど……うん。もう何も言うまい。

 続いてオトカの報告書。


『』


 うん、これ説明できねぇわ(匙を投げた)。消される←

 なんか、官能小説風に書いてあった。

 リンさんは安牌……だと願う。


『開国初日も蟲さんたちは元気に葉っぱをかじっています。ミカエラちゃんも元気にしています。でも……。





























シオリさんがちょっと邪魔です。なんでミカエラちゃんをああやって餌付けするんでしょう。発言も教育に悪いし。











































なんでミカエラちゃんはシオリの方を見るの? もっと私を見てほしいのに。ミカエラちゃんは天使なのに。なんでミカエラちゃんはシオリの方を見るの? もっと私を見てほしいのに。ミカエラちゃんは天使なのに。なんでミカエラちゃんはシオリの方を見るの? もっと私を見てほしいのに。ミカエラちゃんは天使なのに。なんでミカエラちゃんはシオリの方を見るの? もっと私を見てほしいのに。ミカエラちゃんは天使なのに。なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで






















































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なんで』


いや、ホラーだよこれッ! なに!? え、リンさんこんなに闇が深いの!?


「どうしたですの?」

 僕は、紙をぐしゃぐしゃにまとめて、ゴミ箱に投げ捨てる。

「えッ!?」

「あ、いや。その。蟲のことばかりしか書いてなかったからさ!」

「そ、そうですの」

 や、やばいこれ……。どうしよ。


「じゃあ、残りのはケイ君のか」


『なんか、行ったら開国しましたまる』


「まともな報告書書くやつが一人もいねぇぞ」

「ミチナガさん?」

 チェリーが呟く。

「報告書、今から私が書いときますので、……待っててくださいね」


 というわけで、無事にシンエン王国の件は解決しました!←



 to be continued……

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