第013話 みさいる!(ラノベ風に言ってみたかったd……)

 とにかく、僕たち四人で山間部から王宮や軍事施設に変わりがないか、確認することにしてみた。

 鎖国体制を敷いているというのなら、当然軍備は後進国ながら強化しているはずだ。最近はミサイルを開発しているとかなんちゃらかんちゃらで、うんぬんかんぬん、カクカクシカジカらしい。どうも最近発射されるかどうかで、緊迫感が増している。そりゃ、あまり都合のよくない国に対しては軍事を強化しないといけないだろう。

 ミチナガ大臣が言ってたのはそう言うことだった。

「あ」

「ん? ミカエラ、どうした?」

「なんか、軍事パレードが始まったですの」

「おー、なかなか見られないな。観光に見ておくか」

 パッパッパッパッパッパッパッパ!

 ファンファンファン!

「うーん、なんか間の抜けた音楽だな、これホントに軍歌か?」


「あーあー、マイクテスト。間違えました。これはほら貝です」


「うん、この国の軍事大丈夫かって思ったわ。よくこれで鎖国したな」

 指揮官の緊張感の無さよwww

「なんか。ばかばかしい軍事パレードですの」

「そうだねー……」

 オトカも同意している。いや、これ素人目に見てもヤバいぞ。

「では、今から、遠征及び、軍事パレードを開催する!」

「そうとーう! バナナはおやつに入りますか?」

「遠征に栄養素は重要だ! 各自、バナナは持ったか?」

 遠足だな、コリャ。

「そして、今日こそ革命の日である! 魔術ミサイルの発射実験なのだああああ!」

「「「「「「「FOOOOOOOOOOOOOOOOO!」」」」」」」

 え、今なんてった。

 ミカエラとリンは、目を輝かせている。

「見て見てですの! 私たちは今、歴史的な瞬間に立ち会っているですの!」

「すごいですよ! 見てください! あのミサイル!」

 まあ、コフコッフに関係してるこの人たちにはたまんないだろうな。

 あと、ミサイルが異様に巨大なんですが、これホントに飛ぶのか? ロケットじゃね?

 用意されたミサイルはたった一発。しかし、それに積まれている燃料はおそらく他の国と比べてもすさまじい量だろう。

「でも、これは長距離ミサイルですわ。わが祖国に落ちたら大変ですの! ここでパックミサイルしてやるdeathの!」

「ふぇ?」

 オトカが間抜けな声を出す。

「あれを?」

「そうですの! うちのバレットちゃんが木っ端みじんにしてやるですの!」

 うーん、嫌な予感しかしない。


「五……四……三……」


「よし、準備ができたですの」

 魔法陣から、狙撃銃を取り出すミカエラ。やっぱり軍人だ……。

「きゅいいいいいいいいいいいいいいいいん」

「なんかスナイパーライフルから変な音が……?」

「ああこれ? 破壊光線ですの。銃弾とこれで消し去ってやるですわ!」

「……今のうちに離れとくわ」

「これ、付けるですの」

「これ、金属の溶接のときに使うやつじゃ」

 ミカエラもゴーグルをつけている。オトカとリンさんもマスクをつけた。

「今からでっかい噴火があるんですわ!」


「二……一……発射!」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!


「サイコーですわ!」

 あっという間にミサイルは天高く飛んでいく。ほとんど垂直だ。

「やってやりますわ! コフコッフ最終決戦兵器『Дорогие люди親愛なる人民』」

「え、最終決戦兵器?」


 どごおおおおおおばああああんぐしゃああああああ(こんなかんじ)!


「おおおおおっほっほっほっほっほ! 見てください! リンさん、オトカさん! きれいな花火ですわァ! ですわ!」

 戦闘力が五三万ありそうな発言しないでください。

「ねえ、なんか破片が落ちてきてない?」

 オトカが少し不安げな声をあげる。

「……し、しーらない、ですの。避難するですの」

 あ、ミカエラのやつ爆破した後のこと考えたなかったな。

 てかこれヤバくね? 相当なやつが降ってきてるんだけども。


 数分後。


「リン……なんで基地すぐ壊滅してしまうん?」

「そうねーなんででしょうねー(ハイライトの無い眼)」

 あたり一面『YA☆KE☆NO☆HA☆RA』

 もちろん、王宮の近くにあるこの基地は壊滅。

「な、なあ」

 僕は言い出しにくいことを言う。

「これってミカエラが悪いんj」

「蟲さん、ケイの口を封じて」


「ぐはぁ……」

 大鎌が首の周りをドスっと囲う。

「何言ってるんですかケイさん(ニコニコ)? ミカエラちゃんはなっっっっんにも悪くないんですよ? 悪いのは、ミカエラちゃんの大切な大切な祖国にも届くミサイルを無断で実験しようとした悪しき憎き傲慢で卑劣なこのシンエン王国全体です。ええそうです。そうにちがいない。そうでないとおかしい。そうなんですよ。むしろあそこで爆発させたミカエラちゃんをよおおおおおしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしして角砂糖をあげたいくらいです。ほんとにもうスナイパーライフルを撃つときの寝そべったミカエラちゃんはいつもに増して天使でしたよ。柔らかいほっぺがぷにって、ぷにってショットガンについて、それで魔術弾で一発ではじけさせちゃうんですからね。こんな基地ミカエラちゃんの尊さの前にひれ伏して荒れ地に帰して当然です。そうなんです。そうですよね(威圧)? というか、そもそもミカエラちゃんはほめたたえられるべきなんですよ。ケイさんはわかってないですねー、ミカエラちゃんが爆発させたのはミサイルじゃなくて私の心です。爆死です爆死。もう持ってかれましたよ(以下略)」

「ハイ。ソウデス。ミカエラチャンガ、タダシイデス」

「よかったあああああああ(恍惚)わかってくれたんですねええええええ! でも、ミカエラちゃんは渡しませんよ? ミカエラちゃんはそれはもう純粋な子供さんなんですから、本来なら世界征服なんてさせちゃいけないんですけど、ミカエラちゃん自身がやりたいっていってるから、もうそれは応援するしかないじゃないですかああああああ! パックミサイルの瞬間をカメラで撮影してたんですよ。まさにこの子の歩む道なんです……」

 とりあえず、リンさんを落ち着かせるのに一時間かかった。


 to be continued……

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