第033話 コフコッフに……やっと……

「つ、着いたぜッ」

 僕、ケイ・レモネードは、やっとここに着いた。……一か月のリアルでの月日をかけて←


「「「「「「「コフコッフ!」」」」」」」


 いや、見渡す限り荒野なんですけど。

「ミカエラ、どういうことだ?」

 すると、ミカエラは目を輝かせて言う。

「ここの国境は、すぐに戦いが始められるように、農地利用はしていませんの! ほら、コフコッフって永久中立国だからですの!」

「へ、へぇー(白目)」

 なんか物騒な国だなァ。

「こ、ここがミカエラちゃんの国ですか……へ、へー」

 オトカもなんか首をかしげている。煙が黙々の工業地帯が一キロメートル先に広がっていて、いかにもスチームパンクだ。魔法少女のファンタジックな印象には会わないだろう(いや、そういう問題じゃないか)。

「久しぶりですね! ミカエラちゃん!」

 リンさんは楽しそうだけど、僕はテンションがた落ちだ。

 ……いや、マジでつまみ出されそうだなこりゃ。

 そんな僕の思考はよそに、ミカエラは、荒野の中の検問所に足を進めていく。

「こんにちわ! ですの!」

「ん? こんなところにお嬢さんが……?」

「モー、さっさとあけるですの! じゃないと脳漿ぶちまけてプディングにするですわよ!」

 ミカエラは、笑いながらそう言うと、スッと何かのカードを兵士に見せた。

「も、申し訳ございませんでしたァッ! ど、ど、どうぞこちらへ! ミカエラ嬢ッ!」

 ……ヤクザの娘かな? いや、軍人もそんなもんか。

「お、おおおおおおお! わ、私も言われたい! お嬢様って言われたい!」

 ルーナさん? 何かをはき違えてるような……。

「おっしゃー、行くぞ行くぞ」

 リジコはそのまま進んでいく。

「リジコってこういうの慣れてるのか?」

「まーね!」

 軍人……っちゃ軍人か、リジコも。

「……シオリ?」

 いや、なんだかシオリがシャーって声を上げて威嚇してる。

「ん? なんか煙? 霧が見えてるような……あれ、意識が……?」

 これはッ!? 僕は息を深く吸う。


 さ、催眠ガスッ!? まずい、息を深く吸うんじゃなかっ……。


「し、シオリ?」

 僕は、なんか牢屋的な空間にいた。

「あ、ケイさん!?」

 リンさんだ。着物はそのままだが、鎌が取られている。蟲が入ったツボもだ。僕も魔導書などを取られていた。

「おいおい、まいったなこりゃ?」

 リジコ。

「ハメられたッ!?」

 オトカ。

「チクショウッ!? この私がッ! この私が牢屋なんかに!? 今まで入れる側だったのに!?」

 ガンガンと壁に頭をぶつける音が響く、ルーナさん精神衛生上よくない気がする。最近。

 ともかく、僕たちがコフコッフの中の収容施設にいるようだ。ミカエラがはめたのか? いや、そんな筈は……。

 うん、否定できない(ニッコリ)。

 とはいえ、それ相応の理由があってもおかしくないから、別にいいんだけど。シオリは……? 威嚇してたくらいだから、気付いてたのかな? 野生の勘ってやつか。

 うーん。困った。


「お父様ッ! どういうことですの!?」

「どうもこうもあるかね、ミカエラ。悪いことは言わない。あんなふざけた連中とつるむのはやめるんだ」

「なん……だと……?」

「奴らはお前を利用して、世界征服を本気で目指しているそうだな? あのシンエン王国の裏で国王が操られていると聞いてびっくりしたよ。しかも、ミカエラ。お前まで関与していたそうじゃないか」

「そ、そうですわ! シオリのおいしい料理を毎日食べるために世界征服するですの!」

「むちゃくちゃだッ! いいかミカエラ。こんなことをしてこの国の安寧が脅かされたらどうするッ?」

「お父様……私、昔から思ってましたの……」

 ミカエラは、わなわなと拳を震わせる。

「な、なんだい、言ってみなさい」

「この国はおかしいですわ! 毎日毎日国民は狂ったように戦闘訓練! 昼も夜も、戦闘訓練! 毎日朝昼晩と総統閣下万歳って叫んで、地面に時速一五〇キロで頭をぶつけながら逆立ちしないと逮捕だなんて。しかも、この国の一番重い刑は、自分の地雷カプの同人誌を一日中読まされて感想文を百枚ッ! どうかんがえてもやりすぎですわ!」

「そんなことはないだろう。この国は全員から税金を徴収して分配している! それで市民の生活はちゃんと守られているはずだ!」

「お父様!」

「見聞を広めさせるために旅にださせたのだが……。少々つるむ相手が間違っていたようだな、ミカエラ。これからはこの国の次期総統として生きていくのだ。いいな?」

「そんなッ! くッ……」

 ミカエラは、部屋のドアを乱暴に開けて、出ていった。


「あー、暇だなー」

 リジコが声を出す。僕たちは、部屋に置いてある『Vii』を手に取り、パーティーゲームをしていた。ピコピコ。

「あ、ちょっと! キノコ取らないでよ!」

「いやですぅー。早い者勝ちですぅ。それ、甲羅でも喰らえッ」

「あ、しんだァああああああああ」

 リジコとオトカが小競り合いを始める。てかこれ、対戦ゲームじゃなくて協力してゴールを目指す奴なんだけどなァ。

「そい、そい。ほれ」

「ケイさん、意外とうまいんですね。ゲーム」

「あ、うん。よく魔王……父さんと一緒にやったからな」

「魔王軍の人でもゲームやるんですね……」

 リンさんが驚く。うるせぇ、魔王の息子でもゲームくらいやるわ。一日一時間までだったけどな!←


 うーん。結構この牢獄快適だぞ。暖炉あるし、ジャグジーあるし。

 そういやシオリ。どこにいるんだろう。


 to be continued……

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