第040話 コフコッフ編 完

 リジコ、ケイ、リン、オトカは(中略)でついに総統閣下と対峙するッッ!(そこに至るまでの過程を描くのを放棄)

 しかし、そこに現れたのは、魔力の暴走を起こし、空中移動要塞となった鉄塊ッ、ミカエラであった(どんな超展開だよ)。四人はミカエラを救えるのか!?


 そして、シオリ、ニシカ、ルーナサイド。

「な、何故無傷なの!?」

「い、い、いや、意識は戻ったよ……えーと、ニシカさん。ありがとう」

 ルーナは翼を背中に格納して、ニシカに礼を言う。

「……大丈夫なのはね。シオリへの負の執着によって引き起こされた力、だとおもうよ」

 ルーナは死んだ眼で言い放つ。

「つまりは、愛の力ってことだなッ!」

「うるせぇぶっ殺すぞ、地獄に落ちろ」

「うぷぷぷwwwルーナちゃんアタマが足りないなァーシオリ笑っちゃうwwww」

 シオリとルーナのそれぞれの台詞は別次元の世界でも存在したものです←

「まあいいわ。私も魔王軍に入るつもりだし……、さっさとカチコミカチコミッ♡」

 ニシカは、両刃斧を振り回して、壁を壊して進む。


 たったったった。

 総統を薙ぎ払った四人は、建物などが圧縮されたダンジョン式の要塞を走っていく。

「おい、オトカ! お前こういう魔術に詳しいんだろ!? 何とかならねぇのか!?」

 リジコがダンジョン内の壁をランチャーで壊しながら叫ぶ。

「……ミカエラちゃんを止めるには、中心部にあるコアになったミカエラちゃんを解放しないといけないッ。そうすればコアによるこの城塞も崩れ落ちるッ」

「ねぇ、それなんてラ〇ュタ?」

 てかどういう経緯でこうなったのか説明しろよ、作者。

「と、とにかくコアまでたどり着ければいいのだな! ふはははははは! 大丈夫だ。この魔王の息子、ケイ・レモネードにかかればコアまでなんぞすぐ!」

 と言ってる間に横から何かが飛んできて。


「ぐはぁ……」

「だから言ったじゃん。トラップだらけなんだってここは」

 オトカが、血まみれの僕を抱き起す。

「ち、ちくせう。魔王ともあろう僕が、こんな魔法少女コスの娘などに……」

「いまさら何言ってんの?」

「やだやだやだ! 自分でやる! じぶんでやるのおおおおおお」

「なんでも自分でやりたがる五歳児かッ!」

 リジコが、迫りくる棘を魔導銃で破壊する。

「あーもー、なんだかわかんないけど、とりあえずじっとしててよ!」

 リンさんは、蟲にトラップを調べさせているようだ。

「どうも、衝撃で作動するみたいですね。ゆっくり歩いて行けば問題ないかもしれません」

「そ、それを早く言ってくれ……」

 いや、僕の頭を矢が貫通してるんだけど……落ち武者みたいになってんだけど……。

 すると、空を切る音が聞こえてきた。

「な、なんだ!?」

「あ、ルーナさんだ」

 リンさんがぼーっと突っ立って呟いた。

「「「「え」」」」


 どごーん。


「す、すまない。ブレーキが利かなくて……何しろ二人背中に乗せていたからな」

 ルーナさんが弁解する。

「やっほー!」

「そう言えばあなたは誰です?」

 なにか、負のオーラを感じ取って敬語を使ってしまう僕。

「フフフ( *´艸`)、ニシカ・モモタと申しますー♡ コフコッフの研究者よ!」

 シオリが解説する。

「まぁ……なんだ、頼りになりそうな知り合いだから連れてきたってわけよ。兵士がみんな意味不明なことを呟いてただろ? こいつの作った装置で脳みそバグらせたんだとよ」

「へ、へえー……」

 なんかまたヤバそうなのが来た……。

「なるほど、ミカエラ嬢は暴走した挙句、国中の武器を集めて、こんな移動要塞と化しちゃったわけね」

「そうなの! ミカエラちゃんが大変なんです!」

 リンさんが半分狂った目で訴える。

「わかったわ、とにかく急ぎましょうッ」


 着いた。

「いや、早くねぇか!?」

 シオリ、……言ってくれるな(威圧)。

「いやー……まさかの、すぐ隣だったなんてねー?」

 オトカが魔術を使って探知したところ、どうも城塞の半分以上がコアで占められていたらしい。

「ああああああああああああミカエラちゃんああああああああああああ」

「リンさん落ち着いて!?」

 僕は慌てて、コアに飲み込まれているミカエラめがけて突進しそうなリンさんを、止める。

「ふむ」

 ニシカさんが皆を制止する。

「これは高エネルギー体ね。触れたら火傷じゃすまないわよ?」

「じゃあ、どーしたらいいんだよ?」

 リジコが銃でエネルギー体のコアを撃つ。全然効いてない。

「ミカエラ嬢は、意識があるのかしら?」

「よ、呼びかけてみます!」

 リンさんは、口に手を当てる。

「ミカエラちゃああん! ワタシです! リンです!」

「……リ……ン? リンなの?」

「み、ミカエラちゃん! 気づいたんですね! こんなぷよぷよのコアに囲まれちゃって……、さあ、こんなところ出ましょう! 一緒にケイさんたちと旅をしましょう!」

「……うう、……できま……せんわ」

「ッ!? どうして!?」

「私は……、お父様たちにひどいことをしてしまったのですわ……このままコフコッフを守るですの……!」

「そ、そんなことッ!」

 すると、ニシカは眼鏡をかける。

「あー……国のコンピューターを取り込んじゃってるわね……。そのせいで愛国心が成長しちゃったのかも」

「いや、なんなんだよこの国」

 コンピューターに愛国心が刻まれてるってどゆこと!?

「まずいわね。ミカエラちゃん自らが出てこないとコアを破壊する方法はないのに……」

「ど、どうするの!?」

 オトカが気まずそうに聞く。

「ふふふふふ、ふはははははは! こうするのだ!」

 僕は、天才すぎる名案を閃いてしまった。やっと魔王らしくリーダーシップが取れるッッッ!


「あらよ! ほらよのせっせっせ」

 オトカが半裸でミカエラに向かって感激の舞を踊る。

「そーれーそーれー!」

 リジコとニシカがその横で、酒を浴びながら紙吹雪を舞わせる。

「おっしゃあああああ、キノコじゃ!」 

 シオリと僕は、料理をありったけ作ってコアの周りに並べて食べ始めた。

「うん! うまいぞおおおお!」

「……あのー……」

 リンさんが申し訳なさそうに聞いてくる。

「これ、何なんですか!?」

「見ての通りだ。本人を自ら出てこさせるための宴だッ!」

「え……(困惑)」

「リンさん。ヤマト連邦の神話には、洞窟に閉じこもった女神を出てこさせるために、他の神々が楽しげななどんちゃん騒ぎをした、なんて逸話があるそうだな? それをまねしたのだッ! ふはははははは! なんと! なんと僕は天才なのか!? 神話の知識を応用するとは、インテリにもほどがあるだろう!」

「……(憐みの眼)」

 

 ミカエラは出てこなかった。


「ちくしょうめがあああああああああああああ」

「当たり前です。こんなので出てきたら苦労しません」

 ミカエラはコアの中で三角座りをして、閉じこもっている。

「ち、チクショウ。辛気臭そうな顔しやがって」

 ん? 空から何かが……。


「チェリーィィィィィパァァァァンチ!」

 ずどーん。ぱりーん。ミカエラ救出!

「あ、あれ、私は一体何をしていたデスの!?」

「ああああああああああミカエラちゃん! 助かったんですねええええええ」

 素っ裸のミカエラがリンさんに抱きかかえられる。

「……見ないでくださいミカエラちゃんのハダカを見ていいのは私とミカエラちゃん自身だけです(超早口)(息継ぎなし)(ハイライトのない眼)(低温ボイス)」

「「「「「はい」」」」」


「そもそも、なんでチェリーさんが?」

「えーと、コフコッフで何か起きてるって情報掴んだので、ちょっとこちらまで来たら、変な要塞があったから、破壊しちゃいました!」

「いや、『はかいしちゃいました!』とかいうレベルじゃないんですけど!?」

「これくらい造作もないですよー」

 ……チェリーさんて、実はものすごく強い……?


 何はともあれ、みんな無事。コフコッフは裏で魔王の傘下に入りましたとさ! ちゃんちゃん!


 to be continued……

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