第42話 とりあえずここの首都って……?

「えー、ここまで更新が遅れたことには、マリアナ海溝よりも深い事情があるにもかかわらず、読者から急かされるのは大変遺憾であり……」

 ぼ、僕はこう言っておけば大丈夫だッ! しかし、シオリが横から突っ込む。

「何言ってんだ。別の主軸作品ちまちま書いてただけだろーが。〇witterのDMでさんざん私にアドバイス貰ってよォ」

「か、完結させるもん! ちょっと、ちょっと息抜きだもん!」

「ふーん……」

 ほ。本当だ。僕は真面目なのだッ。黒歴史になってもいいからちゃんと完結させるのだ!

「がんばれがんばれ♡」

「くそう」

 創作歴二年でございます。ケイはすたすたと歩いていく。すると、ツムギが船からあたりを見回した。

「……おい、YA☆KE☆NO☆HA☆RAじゃねぇか」

「だからその表記やめろって」

 僕が突っ込むのを無視して、ツムギは船から飛び降りる。

「どういうことだ? 俺が遠出してる間に何があった?」

「それがー……」

 リンさんが遠い眼をする。

「私がコフコッフに言った後に、国内でもめ事がありまして、そのせいで戦国時代に突入してしまったのです」

「「「「な、なんだってー」」」」

 棒読みやめろお前ら。

「た、大変ですの!? 国が分かれてるってことですの!?」

 ミカエラがライフルを準備している。いや、なんでお前が戦場に行く前提なんだよ。

「ここは、平和の戦士、魔法少女オトカちゃんの出番だね♡」

 オトカはゆっくりと、落ちている矢や刀剣類を拾い始めた。いや、戦う気満々じゃん二人とも。

「モウマジムリィ……」

 ルーナさん落ち着いて……。穴ほって冬眠しようとしないで! そんなルーナを引っ張って穴から出しつつ、シオリがリンさんに聞く。

「どゆこと? もめごとって?」

「はい、私がコフコッフに行ってからの一か月後。私たちが目的にしている財宝が一部見つかったのです」

「ふーん。それの奪い合いってことね」

「まあ、そんなところかと、私の蟲たちに偵察させていましたが。混戦を極めているようで……。国内の派閥が、そのままそれぞれの戦国武将を立てて、争い始めました」

 結構ヤバいな。まるまる国が戦場じゃねぇか。

「ところで、その派閥ってのは? やっぱり政治的なものなのか?」

「いえ、『私のヴィランハイスクール』のカプ論争です」

「「「「な、なんだってー」」」」

 おい、使いまわせばいいと思うなよ。

 すると、リジコがミカエラのライフルを運びつつ聞いた。

「へ? カプ論争? どゆこと」

「そのままの意味ですね」

 リンさんが答える。ツムギも気づいたようだ。

「あーそういやあったな。たしか『主人公×A』『主人公×B』『主人公×C』だったっけ」

「おい、とんでもない百合ハーレムじゃねぇか」

 親父が読んでたの見たことあるぞ。全部百合カプのやつだ。

「三国志ってとこだな」

「三国志に謝れ」

 こんなくだらないの見たこと……あるわ。シンエンとかコフコッフでもこんなノリがあったわ。

「とにかく、最終的にくっつくのは誰なのかってもめてるんです! 王道主人公と、ゆるふわの正統派百合カプA、クール系僕っ娘の根強いB、ネチネチヤンデレの邪道カプCです!」

「解説せんでいいリンさん!」

 おいおい。こんなので戦争かよ。

「それに、ツムギさん気を付けてください。なにやら今、ヤマト連邦では『全〇中の呼吸』というのが流行っているそうで……」

「止めっロおオオオオ消されたいのか!?」

 この作品は、断じて版権の限界に挑戦する作風では……ないはず←

「よし、パワハラするか」

「ツムギも乗るんじゃないッッ!?」

「おらおら、望みの回答しなかったら、人生からリストラさせんぞゴルァ」

「たのむから……頼むからやめてくれ……ジ〇ンプに怒られるから……なんならヴィラハイで怒られてもおかしくないのに……!」

 くそう。なんでこう、いつもいつも。

 すると、向こうから声が聞こえた。オトカだ。

「ボールをゴールにシュゥゥゥゥゥゥウ!」

「チョウ! エクサイティン!」

 ミカエラもなんかやってるわ。

 見て見ると、生き残った兵士の股間にボールを蹴り飛ばして悶絶させてやがる。なんてエグイ。他の護身術あるだろ……もっと。

「やめんかお前ら!? ちゃんと現地の情報を聞くぞ!」

「あ、ごめんごめんwwww痛い? 痛いよねwww? ところでここら辺どうなってるのwwww?」

「オトカ、てめぇ完全に煽ってるな……」

 面白がるんじゃあねぇ、……めっちゃ苦しいんだ、そこにあたると()

「……ここは、又伊佐またいさ。都のすねをかじっている、地方都市だ」

「おい、リアル〇玉県民を敵に回すような発言をするんじゃねぇ」

 もう一人がうめきつつ呟く。

「……む、向こうが刀四期とうよき、以前都だったところで、むだに住人のプライドが高くて腹黒い地方都市だ」

「だからッ! なんでわざわざディスる!?」

 もういや(白目)。


 どうやら、またひと悶着ありそうです。


 to be continued……

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