第030話 さーて、観光観光(白目)

 とにかくだ。

 とにかくいろいろあったが(いろいろありすぎて僕の胃腸はもう限界です)。

 無事、観光にこぎつくことができる。さて、団体行動だが……。

「わー! すごいですの! 建築技術も進んでいますわ!」

「ああ、ミカエラちゃん! 勝手に走っちゃいけませんよ!」

 あー、ミカエラすっかり元気になったなー(白目)。

「へいへーい! そこのお兄さん! そこの喫茶店で」

 オトカ、とうとう自分からナンパし始めたな?

「ほれほれ、ルーナッ。なんか言ってみ?」

 シオリ、相変わらずルーナを煽る。

「今度こそ……今度こそヌッ殺す!」

 もう就職活動始めちゃいなよルーナ……。関わってるだけ無駄だって。


 あれ? なんかさっきからこの古代都市(科学都市)で騒ぎが起きてるような気が……。

「ひゃっはー! おらおら!」

 ヒャッハーさん、世界中のどこにでもいるヒャッハーさん。

 うん。世紀末だわー。治安が悪いところだって聞いてたけど、ホントだったんだー。バイクで暴走。


 ズバババババババババババババババババババ!


 ありゃ? 機関銃の音が……。

「あはーははははははははははは」

 高らかな女の声がバイク音とともにこだまする。

「野郎ども! そこのけそこのけ私が通るッ! ふんだくった金貸せやコラァ!」

 みると、セーラー服を着た銀髪の女子高生が、バイクをウィリー走行させながらそんなことを口走っていた。

「ひえええええええ、リジコだああああ逃げろおおおおおおおおおお」

 あ、あれ? これヒーロー的なのが出てきて全部解決した感じ? 自警団的な?

「おらッ! 何逃げようとしてんだ!」 

 ババババババババ。

「「「「「「ぎゃあああああああああああ」」」」」」

 あ、ただの狂人だった。こいつ逃げようとしたヒャッハーを撃ちやがった。

 ヒーローでもなんでもなかった。

「……」

 あーあー。血まみれだよ、あたり一帯。

「よッ、と」

 特大バイクから飛び降りる。

「し、シオリ。なんかヤバそうだから、ずらかるぞ……?」

「おいーっす」

「シオリいいいいいいいい!?」

 シオリは、謎の女子高生に挨拶に行く。

「よっす」

 女子高生も挨拶を返す。

「何やってたの?」

「お掃除」

 ひええ←

「……やるじゃん」

「……ふッ」

 二人は、熱く握手を交わした。

 ルーナが、飛び出そうとするところを、リンさんが抑える。

「ぬおおおおおおおおお許さんあの非合法者ども! 罪人に対してとるのは、最低限の自己防衛のみであるべきであって、私刑で殺すなど言語道断で」

「ルーナさん! 落ち着いてください!」

 しかし、シオリ!

「うぷーぷぷぷぷぷぷ、まだ国家特命引きずってんのー? こわーいルーナたん!」

「きええええええええええええええええええええええ」

 ルーナは気絶した(雑)。


「あたしはRijico Dotリジコ・ドット。この町の掃除屋さ☆」


 いや、まぶしい笑顔で言われても怖いもんは怖いよ。

「アンタらのことは、実は聞いてるんだ。魔王一味なんだって?」

「ど、どうしてそれを!」 

 僕は、驚きの声を上げた。

「いや、普通に『魔王一味経営孤児院に募金を』って呼びかけられたらパワーワード過ぎて頭から離れないでしょwww」

「く、くそう。笑われた」

「そういうわけで、あたしも入れて?」

「……へ!?」

「いや、国から任されてヒャッハーどもの掃除を任されてんだけどさ。正直もうめんどいのよ。しかも所得の九九・九パーセント、国に持っていかれるし、やってらんないんだわ」

「それで入りたいと?」

「そう」

「ふ、ふふふ、ふはははは! 小娘、気持ちはわかるが、貴様のような青二才が入ってよい場所などではないぞ!」

「え、一二歳の少女いるじゃん」

「ぐッ! こ、これは、特例だ。ともかく、帰りたまえ」

「意地でもイエスって言わせてやる!」

「ふははははは! もう銃はきかん! 対策したからな! ふははははh」


「ぐはぁ……」

「何が対策よ。魔導銃に関しては、ダメダメじゃん」

「じゅ、銃に魔力が通せるなんて聞いてない……ううう」

 ミカエラが寄ってくる。

「リジコ……といいましたの? 見事な魔導ミリタリー技術ですの! 魔王一味に、幹部として入れてやってもいいですの!」

「み、ミカエラ。勝手に決め」

「ケイは黙ってるですの」

「……(´Д⊂グスン」

 ちくしょう。魔王なのに……僕が一番偉いのに。

 とはいえ、あの冷酷さ。確かに使えるかもしれない。

「よろしくですの、リジコ」

「お、おお! よろしくゥ!」

 こうして、リジコが仲間になった。


「ひゃっはー! 七人乗りバイクだぜー!」

「無理がないか?」

 僕が疑問を口にするが、バイクに連なる台車の上に乗っている一同は、何も文句を言わない。

「ひゃっはー! ですのー!」

 バンバンバンバン!

 ミカエラが銃を乱射する。

「お掃除たのしーですの!」

「だろー? 消毒消毒ゥ!」

 ひ、ひでぇ。こいつら、人間じゃねぇ(僕はそもそも人間じゃないけど)。


 to be continued……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る