第031話 作者! 仕事しろオルァ!

 えー、本日は、晴天なり……。

「なるほど、この国は内陸国だから、点在してる川を越えれば後は山なんだなァ……」

 僕は、バイク(列車)の座席から外を眺める。リジコが答える。

「そうだねー……。あたしがたまーに通ってる高校も都市部にあるし、都市部以外はほとんど森と山って感じかな?」

「で……なんでこんなに時間がかかった?」

「そりゃ、作者がサボってたからだよ」

 メタい……メタいぞドラマギカ。

 

『す、すみません。体調崩してただけなんです』


「嘘つけ、ゲーム作ってたろ」

『い、いえ、小説を書く体力が……ゲーム作ってたのちょっとだけだし』

 しかし、シオリはナレーションをいじめる。

「おらおら! もっと働けェッ!」

 鞭がパシパシと響く。

『ひええええええ書きます! 書きますから!』

「はーっはっはっはっはっは! 締め切り前の漫画家のように書くのだァ! 二四時間労働だァ!」

「労働基準法……」

 ルーナがぼそっと呟くが、シオリは無視した←


「さーて、ここらへんで少し休むか。魔導エンジンも整備しないとだしねー」

 リジコは、大型バイクのエンジン部分をいじっている。

「じゃあ、シオリズクッキン……」

「ろくなことにならないぞ!」

 僕が制するがこれまたしおりは無視。鍋に火を焚いて、始めてしまった。

「じゃじゃーん! ミカエラたん! 準備を手伝って!」

「ハイですの!」

 あーあ。どうなっても知らないぞ。トぶぞ?

「まずは! リジコがくれた『銃弾を』」

「ちょっとまったぁああああああ」

「ふぇ?」

「いや、なんなのさ、銃弾て」

「銃弾は鉛の弾を使ってね♡」

「ええ……」

「ミネラルを補給だ!」

「鉛は毒なんですがそれは……」

「えー」

「えーじゃありません。これ誰が食べるのさ? ほら、人参つかって」

「はいはい、わかりましたよ!」

 シオリは、人参をそのまま鍋にぶち込んだ。

「そして、芋です! 次に生地をどーん!」

「ワイルドですね(白目)」

 そうこうしているうちに、ミカエラが戻ってきた。

「見つけてきましたの! イノシシですの!」

 いや、生きてるんだけど、てかこっちに突っ込んできてるんだけど!?

「おい、ルーナ。そいつを殺せ」

「は!? え!?」

「殺れ」

「ええ……」

 ルーナは、イノシシにキックをかます。

 イノシシは死んだ(説明? 描写? ナニソレオイシイノ?)。

「ともかく、これ……」

「ほれ、ナイフ」

「ずっと前から思ってたけど、シオリってなんでそんなに解剖道具持ってるの

?」

「ふふ、聞きたい?」

「聞かないでおく」

 ルーナは、皮をはぎ始めた。

「は、はは、ふふ、じゅるり、うまそう。ああああ」

 まずい、ルーナのトカゲの本能が出始めてる。

「ああ、だめ♡ かぶりつきたい」

「生はいけませんよ?」

「ああ、骨チラが見たい。できればニンゲンの」

「それ以上はダメだぞ、ルーナ」

 僕は先回りして禁止した。

「そうですよルーナさん? あとで用意してあげますから今はダメです」

 リンさん、後でってどゆこと?

「わーい! いのししさんが血まみれですの! 痙攣してますの!」

 細やかに描写するのはやめてミカエラ?

「な、なんでそんなに血を見るのに慣れてるんだ、この一二歳……」

「えー、だって、お父様に連れられて前線に行ったことがあるですの! 強烈な悪臭と、人の血の匂いと硝煙のにおいが充満してたですの! 悲しかった……」

 えー、ドラマギカって鬱展開あったの? お父様がラスボスな感じ?


 クマ公的な感じ?(詳しくは完全欠陥吸血鬼をチェック!)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885383984


 何はともあれ、内臓や顔を取ったイノシシを、そのまま鍋に突っ込むしシオリ。

 ザバーン!


「ほらほら、ミカエラたん! イノシシさんも天に召されたよ! いい湯だなって言ってるよん!」

「わーほんとですの! イノシシさん気持ちよさそーですの!」

 オトカは、相変わらず術式を組むのに忙しそうだ。どうせ催眠かなんかだろうが。

 最近いろんな術式が思いついて、作るのが追いつかないらしい。是非とも元気を出してほしいところだ。

「よし、キノコを……」

「入れさせねぇぞ?」

「ちくせう」

「ちくせうですの」

「なんでミカエラまで!?」

「だって、あれ気持ちよくなれるですの!」

「シオリ、てめぇなに一二歳をヤク中にしてやがる」

「や、ヤクじゃないし! き、キノコだし!」

 とにかく、今回は入れさせなかった。……ふう。


 リジコが叫んだ。

「おーい! モンスターが攻めてくるよ!」

 なんだって?


 to be continued……

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