第15話 慈悲を乞う奴隷の少女、主人は試行錯誤して罰を下す。あとまた奴隷商人がやってきた

奴隷少女「ご主人様お許し下さい!」


 華奢な少女の声が、悲痛に響く。


主人「いいや許さんぞこのゴミ奴隷が!」


 肥満体の中年は、その光景に怒号を飛ばす。


奴隷少女「どうか、どうかお慈悲を!」 


 少女の頬は涙で塗れていた。泥で汚れた古いメイド服。


主人「俺の愛用の椅子に爆弾をしかけるとはな! それも立ったら爆発タイプのやつを! 早く解除しろこのボケ奴隷がああ!!」


奴隷少女「申し訳ありません二度といたしませんから! ……えーと、これコードどっちだったっけ?」


主人「おめーが作ったのに構造忘れてんじゃねーよ!」


奴隷少女「御主人様! 今日のラッキーカラーは?」 


主人「青」


奴隷少女「よし赤だ!」プチ


主人「ああああ!!このゴミ奴隷がああ!!」


 △ △ △


主人「よぉし、今日こそは後悔させてやる! このゴム紐をしっかりと噛め!」


奴隷少女「はい」ハム


主人「よしこれを伸ばす! 伸ばす! 伸ばぁす!!!」グイイイイイイイ


主人「おいゴミ奴隷! しっかりと噛んで離すなよ絶対離すなよ!」


奴隷少女「はい」パッ バッチイイイン


主人「いったぁああ!! 手が! 手がバッチィンって! いったぁ! 離すなっていったじゃん! なんで離すんだよもおおおおお!!!」


奴隷少女「ごめんなさい」


主人「謝罪に気持ちがこもってないいい!!」


△ △ △


???「ほら、君たち。お菓子だよ。先生の言うことを聞いて沢山お勉強してね」


???「子供はいいですなぁ。可能性がある。彼らの笑顔の為なら幾ら積んでも惜しくはない」


???「先生方には子供達の教育に専念できる環境を整えさせていただきたい。もちろん支援は惜しみません」


???「子供とは未来です。未来無くしては人は前に進むことは出来ませ……ああ、ほらだめだよ、こんな人前でじゃれついては、だめだったら」


???「こら止めなさい、話してる最中だから、ほら後で、だからダメだよ。ダメ……だからどさくさ紛れにナイフで刺そうとするのやめろこのクソ奴隷があ!! 子供が見てるだろうが! 悪影響与えんだろちょっとは考えろクソボケがああ!!」


 △ △ △


奴隷少女「く、むぐ、う!」ジタバタ


奴隷商人「やあ手荒い真似をして悪かったね。しかし君の御主人様がなかな売ってくれなくてこんな不作法なことをしてしまったよ。なぁに、この先のビルに君を連れて行くだけだ」


奴隷少女「むぐ、うぅ!」ジタバタ


奴隷商人「今から君を引き渡す相手はうちの得意先だ。君の写真を見せたら一目で気に入ってしまってねぇ。なに、ちょっと鞭で皮を剥がすほど奴隷を叩くのが好きなだけの気のいい金持ちさ」


奴隷少女「むぐうう!」ジタバタ


奴隷商人「ついでに随分と大切にしていたお前の元になる主人からも金を要求しておくか。無論返さないがなぁ! はっはっは!」


奴隷少女「むぐうううう!」


 △ △ △


奴隷少女「ただいま御主人様」


主人「ん? どこいってたんだお前?」


奴隷少女「ちょっとゴミ掃除に」


主人「……なんで頬に血しぶきついてんだ?」


アナウンサー『臨時ニュースです。本日未明、都内のビルが突然倒壊しました。現在被害確認と生存者探索を行っています』


主人「……」


主人「今夜はハンバーグにするか」


奴隷少女「やったあ!」

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