第28話 慈悲を乞う奴隷少女、主人は丹誠込めて罰を下す
奴隷少女「ご主人様お許し下さい!」
華奢な少女の声が、悲痛に響く。
主人「いいや許さんぞこのゴミ奴隷が!」
肥満体の中年は、その光景に怒号を飛ばす。
奴隷少女「どうか、どうかお慈悲を!」
少女の頬は涙で塗れていた。泥で汚れた古いメイド服。
主人「やかましいアホンダラ! よくも俺の持ってるズボン全部の股間のところに穴を開けてくれたなあああ!!
これじゃ外にでていけねーだろこのやろう! 速攻でお巡りさんから職質だよ!!」
奴隷少女「申し訳ありませんご主人様! もう二度といたしませんから! とりあえず怪しくないとアピールするために写真取ってTwitterに載せましょう!」パシャパシャ
主人「んなもんやったら速攻で凍結されんのがオチだこのバカ奴隷がああああ!!!
もう許さん! 今日こそはその身の程を思い出させてやるわああ!!」
▽ ▽ ▽
主人「今日は焼きそばだ」
奴隷少女「わぁい!」
主人「そして白飯」
奴隷少女「え」
主人「焼きそばをおかずに白飯を食え……」
奴隷少女「ええ……」
主人「明日の昼はナポリタンをおかずに白飯を食ってもらう」
奴隷少女「ええぇ……」
主人「夜は湯豆腐をおかずに白飯だ。スパゲティミートソースやソーメンにおでんもおかずにする。今日から一週間、お前は『白米に合わないもの』をおかずに白飯を食うんだ!」
奴隷少女「ら、ラーメンは、ラーメンはあるんですかご主人様!?」
主人「ラーメンライスは定番だから無しだ!! たっぷり反省するがいいこのクソ奴隷がぁ!!」
▽ ▽ ▽
刑事「どうもお久しぶりですね」
主人「なんのようだよ無能。テロリストはもう捕まったろ、うちの奴隷に全然似てないやつがよぉ! あんだけカッコつけたやりとりしてこれだから恥ずかしいわホント!」
刑事「これはこれは手厳しい……いやぁ人の顔を覚えるのは苦手で」
主人「おまえそれ刑事として致命的じゃねぇか……で、なんのようだ? また聞き込みか?」
刑事「この写真の女性、見覚えがありませんか」
主人「これは……あの釘バット売り込みにきた頭のおかしい女!」
刑事「ほほう、やはり見覚えがありますか」
主人「いや釘バット持って笑ってんじゃんこの写真。見覚えどころじゃねぇわ。こんな写真の写り方するやつこいつしかいねーよ」
主人「なにやったんだこいつ? どーせまた釘バット売り込みに来てなんかやって捕まったのか?」
刑事「いや釘バットは売ってないんですが……法令で無資格が扱ってはいけない種類の火薬を大量に買い付けてトラックで運んでるところを捕まって逮捕されまして」
主人「……なにやってんだあの女?」
刑事「彼女いわく『接触爆破型釘バットの材料に使う』そうで……大量注文が入ったので材料を確保しようとしたようですね。で、その注文と支払いがあなたのクレジットカードからでして……あなたが買ったんですか接触爆破型釘バット六千本分を?」
主人「おいクソ奴隷」
奴隷少女「はいお呼びですかご主人様……」トコトコ
主人「クソ奴隷ええええええええ!!! またか!? また
俺のクレカ勝手に使ってなに買ってんだよおおお!! しかも接触爆破型釘バットを六千本分ってよおおお!!!」
刑事「」
奴隷少女「試供品を使ってみたらなかなか使い心地が良かったもので……そういえばご主人様が『今度少年野球チームに野球道具一式寄付しとくか』と仰っていたのでちょうどいいかなと」
主人「よくねぇぇよバーカ! 少年野球が地獄甲子園になるじゃねぇーかよおおお!!」
奴隷少女「でも六千本買ったからオマケでクオカード千円分作っていうし」
主人「オマケほんと鼻くそレベルじゃねーかよ! キャンセルだキャンセル! 全部断れ!」
奴隷少女「えー、せめて私用に五本くらいは」
主人「おめーに持たせるのが一番こええんだよ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます