第18話 慈悲を乞う奴隷の少女、主人は無慈悲に罰を下す。あとまた友達が苦情いいにきた。
奴隷少女「ご主人様お許し下さい!」
華奢な少女の声が、悲痛に響く。
主人「いいや許さんぞこのゴミ奴隷が!」
肥満体の中年は、その光景に怒号を飛ばす。
奴隷少女「どうか、どうかお慈悲を!」
少女の頬は涙で塗れていた。泥で汚れた古いメイド服。
主人「よくも俺が宇宙ステーションで船外作業中に、作業アームで突き落として大気圏突入させてくれたな!
運良く近場のデブリを盾にして助かったが、この怒り一体どうしてやろうか!」
奴隷少女「申し訳ありません御主人様! もう二度といたしません!
……御主人様は一体何をしたら本当に死ぬのでしょうか?」
主人「うるせぇなこっちも必死でやってんだぞこのサイコパス奴隷め!
もう今度という今度は許さんからな! 罰を与えてやるこのクソ奴隷があ!」
△ △ △
主人「はいいつものパターン。椅子に縛り付けるー」
奴隷少女「はい椅子に縛り付けられるー」
主人「そして趣味の釣りで使う餌のミルワーム君が一匹」
奴隷少女「え」
主人「お前の首筋から背中に落とす!」
奴隷少女「いやあああ!! 取ってえええ! マジこれやだあああ!!」
主人「はっはっは! いい感じにもがき苦しんでるな! 動画で撮ってるから後でTwitterにアップしてやるぞこのクソ奴隷があ!」
青年「く、やはりあの男……こんな虐待を……とりあえず動画保存しとこ」
△ △ △
富豪「再度こういう話をするのはあまり良くないかもしれないが、君のあの奴隷の扱いは常識的範疇を逸脱している」
主人「知るかそんなこと! また文句いいにきたのか暇だなお前!」
富豪「もう息子に本業継がせたから暇でなぁ。……それにしてもお前やりすぎだろあの奴隷アイドルデビューさせて歌まで出すなんて」
主人「思ったより人気が出てな。まあ小銭稼ぎ程度にはなる……キワモノの男の娘として笑い物になるようにデビューさせたのになせ人気が出るんだ? 世の中狂ってるぞ」
富豪「コンサートまでやるなよ。しかもバスツアーまでやるし。料金の割に食事の内容がいいとか口コミの評判いいし」
主人「みみっちい利益には興味がないからな! とりあえず蟹とか松坂牛出せば貧乏人は黙る」
富豪「握手会の引き剥がし係りもお前やってたろ? 素人にCQC使うなよかわいそうだろ」
富豪「うちの奴隷がお前のところの奴隷見て自分もデビューしたいとか言ってきてうるさい」
主人「知るかそんなもん! そっちでなんとかしろ! 用が済んだらとっとと帰れ!」
主人「ん? なにをぼうっとしてるこの無能奴隷が! 暇なら床でも磨いとけ!」
奴隷少女「も、申し訳ありません!」タタッ
主人「まったく、アイドル気取りになりおって……ん、あいつまたメモ帳落としていきやがったな」
主人「『アイドルになれたお礼に御主人様をアイドルデビューさせてあげたい計画』……あいつめ、こんな中年をアイドルにしてなにをしたいのか」
主人「……『計画その1、ゲイビデオ会社に御主人様の履歴書を出す』
『計画その2、御主人様を新宿二丁目に縛って放置』
『計画その3、御主人様野獣先輩説を広める』」
主人「あのクソ奴隷がああああああ!」
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