第10話 慈悲を乞う奴隷の少女、主人はあれこれ罰を下す。あとバカが一人引っかかる
奴隷少女「ご主人様お許し下さい!」
華奢な少女の声が、悲痛に響く。
主人「いいや許さんぞこのゴミ奴隷が!」
肥満体の中年は、その光景に怒号を飛ばす。
奴隷少女「どうか、どうかお慈悲を!」
少女の頬は涙で塗れていた。泥で汚れた古いメイド服。
主人「よくも俺が寝ている間に河南省少林寺に勝手に弟子入りさせてくれたな!
一人前にならないと出れないから、
頭を丸めて必死に修行の日々を過ごしたぞ!」
奴隷少女「でもたった3ヶ月で老師を倒して帰ってくるなんてさすが御主人様です!」
主人「死ぬほど|功夫(クンフー)を積んだからな!あと拳児とからくりサーカスは全巻読んでるし!
それからお前に罰を与えてやることだけを考えて修行したのだ! たっぷり後悔させてるぞこのクソ奴隷があああ!」
▼ ▼ ▼
主人「よし、来たぞ。やれ」
奴隷少女「うぅ…」サクサク
子供「お姉さん、何を花壇に植えてるの? お花の種? それとも野菜?」
奴隷少女「こ、これはね」
奴隷少女「ちくわよ」
子供「……ちくわ?」
奴隷少女「ちくわをね、こうして土に埋めると、ちくわから芽がでて春には沢山のちくわの花が咲くの」
子供「……」
奴隷少女「秋にはちくわが実って、青いうちに収穫すると磯部揚げに」
子供「おかーさーん! なんだか変な人がいるよー!」
奴隷少女「うぅ…絶対頭がおかしい人だと思われてる」
主人「まだあと十人くらいの前でやるぞ! 明日からお前はちくわ農家のお姉さんだ! しっかりやれクソ奴隷!」
▽ ▽ ▽
奴隷少女「ご主人様お許し下さい!」
華奢な少女の声が、悲痛に響く。
主人「いいや許さんぞこのゴミ奴隷が!」
肥満体の中年は、その光景に怒号を飛ばす。
奴隷少女「どうか、どうかお慈悲を!」
少女の頬は涙で塗れていた。泥で汚れた古いメイド服。
主人「よくも俺が寝ている間に寝室の前に対人地雷を仕掛けてくれたな! 殺到するベアリング弾を愛用のフライパンで防がねば死んでいたわ!
見ろ、せっかく育てた鉄フライパンがボコボコだ!」
奴隷少女「もう二度といたしません!どうかお許しください!」
主人「いいや許さんぞこのゴミ奴隷が! 今日こそはイヤと言うほど後悔させてやるこっちにこい!」
▼ ▼ ▼
奴隷少女「こ、これはなんですか御主人様…? まるで吐瀉物のような」
主人「栃木県の郷土料理しもつかれだ。ゲロみたいだがゲロじゃない。栃木県の人々はこれを涙を流してありがたく頂くという。失礼なことをいうな」
主人「だから食え」
奴隷少女「え」
主人「食えええええこのクソ奴隷がああ!」
奴隷少女「い、いやあああ!!」
△ △ △
青年「あなたが奴隷の少女を所持していると聴きましたが」
主人「それがどうした。俺ほどの裕福な立場の人間なら、奴隷の一人や二人は持っていて当然だ」
青年「劣悪な環境で酷使し、虐待を重ねているとも聴きました」
主人「俺の物をどう扱おうとこの俺の自由だ。誰に文句を言う権利がある?」
青年「……あなたには人間の心がない」
主人「ふん、多少男前だから調子に乗っているようだな若造。しかしこの業界で俺を敵に回して生き残れると本気で思っているのか?」
青年「それでもあなたの奴隷になるよりはマシだ。これで失礼させていただく」
主人「……ふん」ピッ
トゥルルルル
主人「あぁ、俺だ。例の生意気な若造が来たぞ。なかなか肝の据わったやつじゃないか。
あれなら期待できる。俺も出資するから、お前のほうでも援助してやれ」
主人「まったく、若さというやつはどうにも面倒くさいものだ。若い頃を思い出すよ」
主人「俺も昔はあの若造のように…」
奴隷少女「あの、その」
主人「ん? なにこっちを見てるんだゴミ奴隷? 無駄なことしてないで池の鯉に餌でもやってこい」
奴隷少女「……てっきり御主人様に刃向かう愚か者と思い、先ほどのお客様のお車にうっかり爆弾を仕掛けてしまいまして」
主人「早く連絡して止めてこいこのバカ奴隷がああ!!」
これは、主人と奴隷の少女との虐待と憎しみ、そしてお手軽感覚で出てくる爆弾との日常をつづる物語である。
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