第34話 慈悲を乞う奴隷の少女、主人は平成最後の年末を駆け抜け罰を下す
テロリスト1「この空港は我々が占拠した! お前らは全員人質だ! こいつで蜂の巣にされたくなければおとなしくしろ!」カチャ
客「ひ、ひいい! い、命だけは!」
テロリスト2「政府に俺たちの要求を通すための貴重な人質だ! まあひとりかふたりは見せしめに……!」
主人「やめろ貴様ら! 暴力で主張を通そうとするなど恥とは思わんのか痴れ者共め……!」
テロリスト2「ああん? 太ったおっさん、状況がわかってねぇよおだなぁ……? 俺は優しいからよぉ……撃つ前に警告はしてやるぜ、結局撃つけどなぁ!」ダダン!
主人「ふっ!」
テロリスト2「消えた!?」
主人「オラァッッ!」ドゴォ!
テロリスト2「ぐっはあああああ!?」ドサ
テロリスト1「銃相手に、拳だけでっ!?」
主人「遅い、遅すぎる……腹パン職人二人を相手にしたときと比べればAK-47ごときなどハエが止まるわ……! さあ無駄な抵抗はやめろ……無駄に苦しみたくなければな……!」
テロリスト1「く、化け物め……! だがこれを見ろ! すでに旅客機に爆弾をしかけてある! このスイッチを押せば乗客は全員死ぬぞ……!」
主人「安い脅しだな。年末バーゲンセールか、なあ奴隷?」
奴隷少女「そうですねぇ、こんな小学生レベルの工作で爆弾を名乗るなんてよくできたものです。簡単に取り外しできましたね」
テロリスト1「そ、それは……! 俺がしかけた爆弾……!」
奴隷少女「最小限の大きさの爆弾の最小限の威力で旅客機を破壊するには仕掛ける場所は自ずと限られる……ウォーリーを探せより容易く見つけられましたよ。はいご主人様」スッ
主人「ほう、これが爆弾か。うちの奴隷にさえおもちゃ扱いされるとはな……クリスマスのプレゼントにもなりゃしない」
テロリスト1「くそぉ……爆弾の解体までされているなんて……!」
奴隷少女「え、してませんよ」
テロリスト1「え」
主人「え」
奴隷少女「外して持ってきただけでまだ爆弾生きてますけど」
テロリスト1「え」
主人「え」
主人「え、じゃあ今爆弾持ってる俺ヤバくない? ねぇヤバくないこれ?」
テロリスト1「え、えーと」
主人「ねぇ奴隷なんで解体してないの? 普通するよね?」
奴隷少女「え、取り外せって言われたんで外したんですけど」
主人「この無能奴隷がああああ!!」
テロリスト1「とりあえずスイッチ入れるね」カチッ
ド ガ ン
△ △ △
奴隷少女「ごめんなさいご主人様お許しくださいほんと許してくださいマジですいませんでした勘弁してください」
主人「許さねーからなああ!! もうお仕置きの準備万端だしやるぞオラアアア!!」
奴隷少女「だいたい悪いのはテロリストで私根本的に悪くないのにぃ……」
主人「ガタガタうるせーぞクソ奴隷がぁ! はい撮影スタート!」
奴隷少女「う、うぅ……みんなー! 奴隷男の娘アイドルチャンネル見てくれてありがとー! 今日は社会科見学にきました!」
奴隷少女「今日はちくわ工場です! ちくわ工場で働く方々からお話を聞いてちくわがどうやってできるか見てみましょう! 工場長さん今日はよろしくお願いします!」
ちくわ工場長「はいお願いします」
奴隷少女「で、でもちくわって工場でも作ってるんですね! 畑でしか穫れないと思ってました!」
ちくわ工場長「え、なに言ってるのこの娘?」
奴隷少女「あ、あの自分もちくわ作るの好きで」
ちくわ工場長「え、家で練り物作ってるんですか?」
奴隷少女「が、ガーデニングで育てて」
ちくわ工場長「……ちょっとカメラ止めて」
奴隷少女「あの」
ちくわ工場長「あのマネージャーさん? なにこの娘、なんかちくわが畑で穫れるとかなんとか」
主人「すいませんその娘そういうキャラ付けで売り出してるんでー」
ちくわ工場長「いや真面目な社会科見学って聞いたんだけど? ふざけてるなら帰ってくれない? うち工場だし遊んでると危ないこともあるしさ」
奴隷少女「……」
ちくわ工場長「だいたいなんだよちくわが畑穫れるとかちくわのガーデニングって。君もそんなことやってて恥ずかしくないの? そんなのでネットで話題になっても笑われてるだけだよ?」
奴隷少女「……」
ちくわ工場長「うちだって真面目にちくわ作ってるんだよ。おもちゃにして土に埋めるとかそんな人に買ってほしくないし紹介されたくないよ?」
奴隷少女「……ご、ごめんなさい」
ちくわ工場長「食べ物おもちゃにして話題になろうとか最低だと思うよ。もっとアイドルらしいこと他にあるでしょ? なんでそんなことするの?」
奴隷少女「……う、うえぇぇぇん…」
主人「あ、泣いてしまった」
△ △ △
お読み頂きありがとうございます。ここまでが貯めてあったなろう掲載分です。
ここから掲載が1日三話ではなく不定期なります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます