第38話 慈悲乞う奴隷の少女、主人は感情が死に絶えるもとりあえず罰を下す


奴隷少女「申し訳ございませんご主人様!」


主人「そうか」


奴隷「うっかり間違えてご主人様のベッドの下に地雷を仕掛けてしまいました!」


主人「そうかそうか間一髪気づいて処理できたから大丈夫だぞ奴隷よ」


奴隷少女「それから朝ごはんの中にうっかり殺鼠剤を混ぜてしまいました!」


主人「そうかそうかそうかなんだかちょっと味がマズいなぁと思ったんだ。気功で代謝を高めて毒を排出したから大丈夫だぞ奴隷よ」


奴隷少女「あとうっかり印象操作でご主人様の会社の株価を下落させてしまいました!申し訳ございません!もう二度といたしませんから!」


主人「そうかそうかそうかそうか懇切丁寧かつ真摯な謝罪と説明でむしろ株価が下落前よりも上がったから大丈夫だぞ奴隷よ」


奴隷少女「ご、ご主人様……?」


主人「なんだ奴隷よ」


奴隷少女「お、怒らないんですか…? いつもならこのへんでお仕置きがくるかものかと……」


主人「もうお前のやらかしに何度もつきあわされて、俺の感情はすっかりすり減ってしまったよ……もうなにも感じない……悲しみも憎しみも喜びも……」


奴隷少女「え、ええ!?」


主人「こうしてお前をみても仕置きしてやろうという怒り一つ湧かない。ああ、感情がないとこんなに楽だったんだな……どんな目に会わされても淡々と処理できる。やはり感情が処理できんやつはゴミだな」


奴隷少女「ご主人様……なんてお労しいお姿に……!」


主人「お前のせいなんだぞ奴隷よ……今はもうソシャゲのガチャ一発で星5ウルトラレアとか引いてもなにも思わないし、玉子割ったら黄身が二個あってもうれしくもなんともない。結局アレ一個でも二個でも黄身の量そんな変わらないし」


奴隷少女「わ、私がご主人様に感情を取り戻させてみせます!」


主人「やめろよどうせろくなことしないんだろ……」


奴隷少女「ご、ご主人様、火垂るの○見ましょう!ご主人様いつも金曜ロードショーのやつみて節子節子ってボロボロ泣いてましたよね!」


主人「もう何度も何度も見たからなにも感じねぇぞ。むしろ兄貴の行動に疑問がありすぎる」


奴隷少女「ほ、ほらご主人様! ラピュ○! ○ピュタがまたやりますよ!」


主人「俺ももう『バルスwww』とかいって鯖落として喜んでる年じゃねぇんだよ……」


奴隷少女「ほ、ほら! 子犬や子猫の動画! かわいいですよね! ご主人様こういうあざといの大好きでしたよね!」


主人「もうそういうの飽きたし、お前のほうがかわいいからどうでもいいぞ」


奴隷少女「旅行です! 旅行行きましょう! フランスとかイタリアとか! 行ったこと無い海外!」


主人「仕事でもプライベートでもあっちこっち散々いったし、今の海外はテロがあるからなあ。大体お前のせいで南の無人島から南極まで行ってるんだぞいまさらどこいっても新鮮味ねぇわ」


奴隷少女「う、うぅ……ご、ご主人様のバーカ! デーブ! 短足! 群馬県民!」


主人「とうとうただの罵倒か……やれやれやはりまだ子供だな。もうそんなものになにも感じない……それから群馬県民を罵倒語に使うのはやめろ。俺は何も感じないが色んな人が傷つくから。俺は何も感じないけど」


奴隷少女「忌まわしいたけのこの里派の劣等民族! ハーゲ! マヌケー! 鬼畜! セガ信者! 優しい! 皇道派! 足が臭い!」


主人「なにも感じないな……感情がないとはこんなにも快適なことだったんだなあ……」


奴隷少女「え、えーと、あとは……やーい!金と手間かけて作るくせにカレーがマズいー!」


主人「……なんだとお前ええええええッッ!! 俺の作るカレーのどこがマズいんだよテメエエエエはよぉおおお!!! 言ってみろよテメエエエエ!!! 3日かけてコトコト煮込んだ牛すじカレーなんだぞおおおお!!??」


奴隷少女「ご、ご主人様に感情が戻ったぁ!!」


主人「うっせえええよバーカバーカ!! もう感情が戻った今ままで分徹底的に仕置きしてやるからなあこのクソ奴隷がああああ!!!」


 △ △ △


主人「はいここにお前のTwitterアカウントがあります」


奴隷少女「うぅ……」


主人「なんとフォロワー数4万越え。俺は200も無いというになぁ……」


奴隷少女「て、定期的に子犬や子猫の動画とか上げるとウケるんです……」


主人公「そうかぁ地道に増やしたんだなあ。しかも俺がNHK○集金人や腹パン職人に殴られてる動画流して増やしやがってよぉ……はいアカウント削除ぉー」


奴隷少女「ああああ!!! ああ!!!」


主人「うるさいたっぷり反省しろこのSNS中毒奴隷がよおおお!!?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る