『病み少女と迷える男は雨の中』読了しました。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886864476/episodes/1177354054886864668

著作:K・てあみ様


 暗雲ただよう冒頭に象徴されるような、胸を締め付けられるようなストーリー展開が待っていました。ラストの衝撃は凄まじかったです。

 塔矢とちどは、念話により会話ができます。テレパシーのようなものですかね。お互いに心を許しあったから、できたのかもしれません。

 仲むずまじく念話する二人には壮絶な過去があります。この過去があるからこそ、今の二人がいて、衝撃的なラストにつながるのでしょう。

 誰が正義で誰が悪いのか。そんなものは意味がないのかもしれません。


 一読目には私の想像力が追いつかず、終始「え? え?」と言っていたのが本音です。伏線はしっかり貼ってあったのにも関わらず、物語を受け止める事ができませんでした。

 どうして受け止められなかったのか。後味が悪いのは間違いないのですが、それだけではない気がします。

 私なりに分析したのですが、塔矢の人格の乖離が急激すぎたのかもしれません。ちどのために何かしようとする心のもとで、自分には抵抗をしない相手に暴力を振るってしまう行為が、私にはどうも受け入れ難かったです。しかし、物語としてみると当然の結果であり、無理に変える必要はないと思います。

 それと、好みもありますが、文章がやや読みづらい印象を受けました。

 例えば、こちらの文。


> 激しい雨が、ある部屋の窓を叩きその中にいた1人の少女は、耳を抑えて俯きながら雨音で酷くなる頭痛と戦っていた。


 この一文に込められている情報を分割するとこんな感じです。


・激しい雨が降っている。

・その雨はある部屋の窓を叩いている。

・部屋には1人の少女がいる。

・その少女は耳を押さえてうつむいている。

・少女の頭痛は雨音のせいで酷くなっていた。


 個人的には、一文に込める情報量が多い気がしました。

 主語が同じ部分はまとめていいと思いますが、一文の中で主語が変化すると理解するのがちょっと大変でした。


 的外れな事を申し上げたかもしれません。参考になれば幸いです。

 これからも執筆を頑張ってださい!

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