『平和的未来に僕は期待したい』読了しました。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887055091/episodes/1177354054887055104

著作:形世 出流様


 一読目には様々な疑問が沸く物語でした。僕と私は何者か、非日常が襲うとはどういう事か、主人公の日常はどうなったのか。

 文章が読みづらいのではありません。意味深な言葉の連なりがなんとも言えずに良い味を出しています。

 三読目をした今でも、分かったようなそうでもないような気持ちです。主人公は平和な未来を期待していましたが、結局は非日常に入ってしまったようです。日常と非日常の境界が曖昧で、意識せずに行き来きできてしまうというのが残酷に感じます。哲学的な物語でした。

 偶然なのか狙っているのか、文字数がきっかり444なのも意味ありげに感じます。4は「死」とも置き換えられますし「し(4)あわせ」にも置き換えられます。


 御作は最も重要な情報を作中には言語化せず、読者の読解に委ねている気がします。(普通は人間は日常の中で生きているのに)非日常がないと死んでしまう、という文とあらすじを合わせて、キーワードが浮かび上がると思いました。

 より多くの人に読んでもらうためには、情報の出し方を練る必要はあると思います。何をコンセプトとするかによりますが、人物の容貌(テレビを消したなら黒い画面に一人称の主が映るはずと思いました)か場所の描写はほしいように感じます。物語の根底にある思想は興味深いのですが、それを指し示すものが少しおぼろげに感じます。

 文章は読みやすく、教養もあるとお見受けするので、あとは読者に物語を教えるコツを掴めばたくさんの人に評価される予感がします。


 的外れな事を申し上げたかもしれません。参考になれば幸いです。

 これからも執筆を頑張ってください!

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