『キリトリセン~芸術的勇者~』読了しました。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881973001/episodes/1177354054881973023

※複数のエピソードがあります。

著作:寝る犬様


 相手をキリトリセンに沿って斬ると芸術的なオブジェが出来上がるという、ダークファンタジー好きなら、おそらく誰もがそそられる設定が物語の根幹になっています。

 過不足のない文章で情景がありありと浮かびます。読み始めればファンタジー世界にあっという間に引き込まれます。ほどよく残虐描写をぼかしているのも好印象です(人によっては、ワタルが相手を剣で切り刻む時に、より鮮明かつ緊迫感あふれる残酷描写を求めるかもしれませんが、個人的にはこれくらいの方がストーリーに没頭できると思います)。

 最後までどうなるか分からないというドキドキ感と、読後感は非常に良かったです。完成度が非常に高く、素晴らしい作品でした。


 一方で、重箱の隅を突っつくような指摘なのですが、サイコホラーにしては、恐怖が足りないと思います。御作が私に与えたドキドキ感は、ミヒロがどうなるのか分からないという心配からくるものでした。おそらく猟奇的な趣味のあるワタルに関して読者に配慮したタグだと思いますが、もしこのタグを活かすなら、芸術的なオブジェが具体的にどんな形で、ワタルがどのように魅入られたのか事細かに描写されていると、御作の吸引力が増えたかもしれません。


 的はずれな事を申し上げたかもしれません。参考になれば幸いです。

 これからも執筆を頑張ってください!

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