第8話 生徒会に入る⁉

百瀬とのデートから数日たったある日のことである。

俺はなぜか、校内放送で至急生徒会室に来いと言われて、生徒会室にくることになってしまったわけだが・・・・・・・・・・俺が呼ばれた理由が全く持ってわからん。

「失礼します」

「ああ、きたか」

「で、なんなんですか?」

「近藤昌幸君。君は今から、生徒会長だ」

「んん??????」

「言っている意味がわからないのか?」

「言っている意味はわかりますけど、しかしですね、嗄騨先輩さだせんぱい。今は、先輩が生徒会長でしよね。ってことは、僕が生徒会長になるのは難しいのでは?」

「いいや、そんなことない。確かに、生徒会長任期は6ヶ月と決まってはいるがあれは、あくまでも、原則としてであり、絶対遵守ってわけじゃない。ってことで君は生徒会長になれるわけ」

「いやいや、確かに絶対遵守のものではないでしょうけど、しかし、まだ先輩は、任期を2ヶ月しか果たしていない。つまり、半期もやっていないんですよ。ってことで先輩はそのまま生徒会長をやるべきです」

俺は、どうにか、生徒会長をやらないように、必死に言い訳を言う。

しかし、次の嗄騨先輩の言葉で今までの大半のことが無駄な時間になってしまうなんて誰が予想できただろうか。

「はあ、できれば、言いたくなかったのだけど、言うしかないか。私は、明日から、4ヶ月間アメリカへ留学するのだ」

「って、今までの話はなんだったんですか‼」

「ん?意味がわからんのだが。だって、さっきの話も必要だと思ったから言っただけだ。だから、そんなに叫ばれる意味がわかんないぞ」

この人の思考回路が読めん!

「で、そうなると。4ヶ月間学校に生徒会長がいなくなってしまう。だから、学校側から現生徒会長が次の生徒会長を選んでもよいと言われたため。私は君に生徒会長になって貰いたい」

「はあ、わかりましたよ。でも、生徒会長に俺を選んだのはなんでですか?」

「う?そんなの決まっているだろ。私は君のことが好きだからな」

やっぱり、俺はこの人のことは全くわかんないな。

「そうですか。じゃあ、俺が責任持って、しっかりと、生徒会長になってみせます」

「うん。よろしく」

「はい」

その時の彼女の顔は、今まで見てきた笑顔で一番、綺麗だった。

そして、俺はこの日から、生徒会長としての毎日が始まった。

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