第30話帰り道

朝起きて、メイドさん自慢の朝食を食べたあと俺たちは、眩の家をあとにした。

さようならと言った時の眩の顔が、どこか悲しいそうな顔だったのは、なんでなんだろうと思ったけど、特に気にしなかった。

そして今は、咲と歩いて帰っているところである。

「なあ、咲」

「なに?」

「眩となんの話してきたんだ?」

「それって、夜のこと?」

「そう」

「えーとね、お兄ちゃんを嫌いになる話をしてあげた」

「……え。俺を嫌いになる話をしたのか?」

「うん」

ってことは、あの時どこか悲しいそう顔だったのは、俺のことを嫌いになってしまったからなのか。

「でもね、お兄ちゃんのことを嫌いには、ならなかったみたいだよ。私は 、信じるとかそんなこと言ってたし」

「そう、ならよかったけど。咲なにを言ったんだ?」

「教えない」

「そうか」

そこからは、無言で家まで帰った。

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