第29.5話 話し合い。

「神崎先輩は、何故ここに来ているんですか?」

「なんとなくかな。ていうのは嘘で昌幸君の妹さんってどんな感じなのか知りたかったから。昌幸君のことが好きってこと以外にも」

「そうですか。じゃあ、聞かせてあげますよ。そして、お兄ちゃんのことをになってもらいます」

「昌幸君のことをになる話を聞かせてくれるの」

「はい」

そして、私は、お兄ちゃんのことを嫌いになる話を始めた。

「お兄ちゃんは、自分の意見をあんまり言おうとしません。だからなのか、人の話から、想像して、あたかも、自分が考えましたよといいます。どうですか?」

「………」

正直私は、驚きと同時に悲しみを感じた。

だって、この話が本当のことなら、あの時学校の風紀についての話は、昌幸君が自分が言いたかったことではないと言っているようなものだったから。

「……確かに、そうなのかもしれません。しかし、私は、昌幸君のことを信じますよ」

「そうですか」

「はい。……では、少し部屋が散らかっているので、片付けますか」

「そうですね」

そこから大体一時間位たって、やっと掃除は終わった。


そして、部屋に戻ってみると、昌幸君は、もうすでに寝ていた。

「さきに寝ちゃったんだ」

ほどなくして、私も眠りに入った。

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