第4話妹

あの、謎の告白をされてから、二日たった。

だが、まだ俺はあの謎の告白になにか意味があったのかを考えていた。

「お兄ちゃんどうしたの?なんか最近考え事してるよね」

「ん?ああ、ちょっとな」

「ちょっとな。じゃわかんないから!」

「えー言わないといけないか?」

「言わないといけない!」

俺は正直妹に告白されたというの言うのは抵抗があった。なんせ、妹は俺のことが好きだから。でも俺は

「告白されたんだよ」

と。馬鹿正直に答えてしまった。なんでかってそんなの簡単。妹が上目遣いで目をうるうるさせてこっちを向いてくるもんだから。

つまり、俺は妹の可愛いさに負けたってわけ。

「へー、そうなんだ。遂にお兄ちゃんに告白されるようになったのか。で、どんな子なの?」

そこ、普通断ったのとか聞くところじゃないのって思ったけど、どうやら、俺の妹は俺が告白を受け入れたという前提で話を進めているらしい。

「んーと、まあ、少し童顔であったがとっても可愛いかったぞ」

「それって、私よりも!」

「えーと………………」

「う?」

妹は、こっちを眼のハイライトを消して見てきた。

つまり、ここで下手な回答は許されないということだ。

「咲と一緒ぐらいの可愛いさだったぞ」

「一緒じゃなくて、どっちって私は聞いてるの!」

「いや、別にそんなのどっちでもよくないか?」

「よくない!」

「え?今俺心の声漏れてた?」

「うん。普通に漏れてたよ」

不覚にも俺は心の声を漏らしてしまったらしい。

「で、どっちなの?」

もう、俺は半強制的に

「咲のほうが可愛い」

と、言わざる終えなかった

「じゃあ、今度お兄ちゃんの彼女さんここに連れてきて!みっちり私がお兄ちゃんについて教えてあげて、もう、お兄ちゃんのこと好きじゃなくするから!」

「嘘はいけないぞ」

「嘘なんか言わないよ。だって私が言ったことが全て真実になるんだから」

なんということ。この妹は例えそれが嘘だとしても、私が言ったことは全て真実だと主張してきているのだ。

俺は、あの子が変な告白してきてくれたことに感謝すると共にもし、俺に彼女と呼べるような人ができたら、絶対こいつにはばれないようにしようと決心した。

「咲、今度俺の彼女を連れてくることはできん」

「なんで!?はっ!まさか私の知らないところで破廉恥なことするから!ってことはこれから、お兄ちゃんは童貞卒業するってこと!じゃあ、今すぐにでも、お兄ちゃんを監禁しないと!」

最後の方になにか危ない単語が入ってた気がしたけど、たぶん俺の聞き間違いだからいいとして。そんなことよりも中学一年生の俺の妹はいつ童貞なんて言葉覚えたんだ!

「お兄ちゃん聞いてるかな?」

「ああ、聞いてるのよ。なんで俺の彼女を連れて来れないかは答えるけど。その前に一つだけ聞いていいか?」

「別にいいけど」

「童貞なん言葉どこで覚えた?」

「ん?それは、クラスの男子から教えてもらった。なんか将来大事になるからって」

「そっか」

なんと、最近の小学生はもう、童貞なんて言葉の意味を知ってるらしい。俺なんか遂に最近知ったばかりなのに。

「で、なんで連れて来れないの?」

「俺彼女いないもん」

「え?それって本当?」

「うん。確かに俺は告白されたけどなんて言われたと思う?」

「んーと、貴方のことが好きですとか?」

「普通はそうだと思うでしょ。でもね、俺に告白してきた女の子は──

俺はあの女の子の声に似せて

──貴方のことが嫌いですって言ったわけ」

「ぷっはああああ!!そ、それって本当なの?それって告白ってよりも告白カミングアウトだよね!」

「そうだな。確かに告白ってよりも告白カミングアウトだな。それでな、屋上から出てくときも貴方のことなんか大嫌いです~~~~!!!!って言って出てちゃったわけ」

「お兄ちゃんは本当にその女の子に嫌われいているんだね」

妹の声は弾んでいてとっても楽しそうだった。

その時である。家のチャイムが鳴ったのは。

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