第5話訪問者
妹と話していたときに。家のチャイムが鳴った。
そんなこと至って普通のことだと思うかもしれない。
だが、近藤家では異例中の異例である。
なんたって、ネットショッピングもしない家なのである。だから、家のチャイムが鳴るなんことはとても珍しいことだ。
このままやり過ごすって言う方法もあったにはあったけど、さすがにわざわざ来てくれたんだから出ることにした。
「どちら様でしょうか?」
「宅配便でーす!」
と活発な声が返ってきた。
「わかりました」
そうして、無事に宅配便を受け取った。
「お兄ちゃんなんだった?」
「ん?唯の宅配便だったぞ」
「へえー、で中はないが入ってたの?」
「いや、知らないぞ」
「え!じゃあ今から見てみようよ!」
「え!ちょっと待って!」
そんな俺の叫びは意味を成してなかった。
妹に見事に取られた。
ちなみに、送られてきた宅配便はっていうとなんというか紙一枚なのではないかってぐらいのものだった。
「ふ、ふふふ………」
妹がこっちを向いてきて、笑った。その目
は笑ってなかった。
「凛なんでそんな怖いような笑みを作っているんですか?」
「ん?別に怖い顔なんて作ってないよ。でもねー、この紙がねー」
そいうと、妹は手に持っている紙をこちらに向けてきた。
「んー?なになに?昨日はすみませんでした。それで、今度ご飯を食べに行きませんか?ご飯食べに行きませんか!?え?こ、この手紙誰から!?」
「ん?そんなの決まっているよ。お兄ちゃんに告白した人だよ。お兄ちゃん私に嘘ついたの?告白じゃなくて
「嘘じゃないから。こ、これはたぶんあれだよ。前変なこと言ったからそれのお返しってことでご飯食べに行きませんかだよ」
「そっか。よかった。お兄ちゃんが私に嘘ついたのかって心配しちゃったじゃん」
「あ、ははは」
ふうー危なかった。まだ妹が幼くて。
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