体育祭編

第32話 前編

時が流れるのは、早いことでもう体育祭が行われる週に入っていた。

生徒会長として、なにかやることがあるかと聞かれたら、最初の挨拶ぐらいという答えになるのだが、生徒会長以外の仕事は、意外とあるのだ。

たとえば、生徒会として、体育祭の放送や召集、そのほかにもいろいろとある。

ちなみに、俺が出る種目は、100走と800Rだ。

そして、今だが………生徒会室で誰がどの召集をやって、だれが種目やらの放送をやるかってことで決め損ねている次第である。

「えーと、今30経ちましたけど……なんにも決まったないので、勝手に決めていいですか?」

「そんなのは、ダメだよ。近藤ちゃん」

なら、さっさと決めろや!

「そうですか。じゃあ、時間もないことですし、くじ引きで決めましょう」

誰も返事をしなかったので、勝手にやることに決めた。

……この生徒会って、ダメダメだよな。全然意見とかでないし、どうやって、生徒会に入れたのやら。それとも、嗄騨先輩の時は、こうじゃなかったとか。まあ、今さらだよな。

そして、くじ引きを行った。

結果は、走る系の競技が、霞ヶ浦先輩と牧野先輩で、入場が藤代先輩、そして、その他が富久先輩。そして、召集が俺と眩と言った感じだった。

「えー、なにかこれに異議がある人はいないですか?」

「いないですね。では、解散です」


今日は、生徒会室で、体育祭の生徒会としての役割分担を決める日であった。

私は、ずっと上の空だった。

あの日の昌幸君のことで、なにかを失ってしまった気がして。

……本当に咲さんが言ったことは、昌幸君のことを嫌いになる話だったのかなー。

そんなことを考えていると、時間は大体進んでいたらしく、昌幸君が勝手にくじ引きをやっていた。

私のもとにも、くじを引く順番がきたので特に迷うことなく引いた。

結果は、召集と書かれていた。

そして、生徒会としての役割が決まった。

私は、昌幸君と一緒の召集だった。

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