第23話 俺の妹は、やはり俺のことが好きである ~中編~
「ただいま……」
「あ!お兄ちゃんお帰り!」
咲は、パタパタとこっちに走ってきた。
「お兄ちゃん今日のご飯なに?」
「えーと、まだ、決めてないけど、まあ、冷蔵庫にあるもんで作るよ」
「わかった」
はあ、いつ言えばいいのやら………
俺がいつ言おうか迷っていると、咲は、感じとったのかどうかは知らないけど、唐突に聞いてきた。
「お兄ちゃんなにか、私に隠しているでしょ」
「なんで、わかった?」
「まあ、お兄ちゃんの妹だからね!」
妹だからね!とか言われてもわかんないですから。
「そうか」
「で、お兄ちゃんなに隠しているの?」
「え、えーと………」
ここしかないのか、あのことを言うには。でも、まだ心の準備が、やっぱり、咲が眠そうになった時にでも言おうか、でも、それは、それでその時になったら、絶対ヤバいからここで言うぞ!
「実はな、今度の日曜日なんだけど、一緒にケーキ作れなくなった!ごめん!」
だんだん、咲の目から、ハイライトが消えていく。
「へえー、そうなんだ。せっかく、約束したのに、破るんだ」
「こ、これには、事情がある。……から聞いてくれ!」
そして、妹との勝負の火蓋が切って落とされた。
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