第9話 生徒会は、変わった人ばかりで、生徒会長は大変だ。 ─神崎眩─

俺は、不本意ながらも今日から生徒会長なのだ。

部活に入っていたら、生徒会の仕事があるんでってのを口実にサボれるのだが、しかし、俺は部活に入っていない。つまるところ、なにもサボれないというわけ。

んで、もって今日の放課後に生徒会室にいかなくてはならない。

そして、放課後。

生徒会室に入ったのはこれで、あの日を入れて2回目だったけど、1回目の時とは、たった、1日だけなのに印象が違った。

1回目のときは、とても、清楚な感じであったけど、今は・・・・・・・・・・

「ってなにやってるんですか⁉」

そこには、棚から、お菓子を出して貪り食う一人の女の子がいた。

「ん?お菓子食べているだけだよー」

「それは、見ればわかりますけど。そういうことじゃなくてこの生徒会室の有り様はなんなんですか‼」

「ん?それは、眩が食べたお菓子のゴミたちー!」

「いや、そんな笑顔で言われても」

「んっで君は生徒会室ここになにかようー?」

「はい。俺は、今日から、この学校の生徒会長なので」

「っえ?嘘ー?」

「いや、本当ですよ」

「っえぇぇぇええええええーーーーー!!!!!」

生徒会室に少女の声が響き渡った。

そして、その少女は、あたふたしたあとに、キリっとして

「申し遅れてしまってすいません。私の名前は、神崎眩かんざきめいといいます」

「え、えぇぇええええええええ!!!!!」

と、今度は、俺の声が生徒会室に響いた。

「そんなに驚かなくても・・・・・そんなに私のこと嫌いでしたか?」

「いや、そういうわけじゃなくてですね」

「じゃあ、なんなんですか?」

「ちょっと、だいぶ驚いたものでして」

「なにをですか?」

「神崎眩が、あの清廉潔白なあの神崎眩が、みんなのアイドル神崎眩が、さっきのお菓子貪り食っているあの人と同じ人物だったから」

──神崎眩。学校一のアイドル。それでいて、生徒会副会長。運動では、陸上100メートルインターハイ優勝。つまり、才色兼備な女の子である。

その彼女が、さっきのあのだらけた人と同じ人なんて誰が思うだろうか。俺の神崎眩に対しての印象が一気に崩れた場面であった。

そして、俺の言葉を聞いたあとの彼女は、顔を真っ赤にして、ものすごく息を吸って

「そのことは言わないでください~~!!」

と叫んできた。

「あ、あれは、不可抗力って言うかなんて言うかそのあれですよ。よくあるやつしまってやつですよ。だから、勘違いしないでくださいね。あの時の私はしまっただけなので!」

「あ、そうですか。あれは、魔がさしてしまっただけなんですね」

「そうです」

「ふーん。じゃあ、これは、どういうことですかね?」

「え、な、なんでそれをというよりもどこに⁉」

「えー、そんなのそこの会長席に普通に置いてありましたよ」

俺が見せたのは「私の食べるお菓子補充よろしく♪」そのあとには、ものすごい量のお菓子が書かれていた1枚のメモ。

「っく、もういいです!正直に言いますよ。私は、お菓子は大好きですよ!世界一と言ってもいいぐらいに!でも、会長は中々私にお菓子を食べさせてくれません。お前は、食べ過ぎるからって。でも、会長言ったんですよ私が生徒会長になったからには、お菓子食べて放題だ!って。もう、その時は、私は天国かって思いましたよ。でも違ったんです!どう思います⁉」

「いや、そんなに危機迫ったようの言われても・・・・・。でも、俺が見る限りでは、眩さんは、食べ過ぎだと思いますよ」

「え、なんでこれって普通でしょ!」

「いやいや、全然普通じゃないから。あのゴミ袋いっぱいになるまで入ったゴミたちは。普通あれほど食べるなら、3ヶ月ぐらいかかりますよ」

「あ、あのゴミ袋の中に入っているゴミたちが全部私ってなにをどう思ってなにを根拠に言ってるんですか?」

ああ、出た出た。なにを根拠にってやつ。あれって大体言ったやつは、あとからなにか悪いとか言ってくるやつだわ。

「じゃあ、のあれが眩さんのじゃないとします。でも、今さっき食べていたのは、確実に貴女が食べたものですよね。で、その分量がおかしすぎるから俺は眩さんは食べたすぎだと思いますよ」

「そうですか。でこのこと言ったらどうなるか分かっていますよね?」

「いやー、なんのこ「分かっていますよね?」「はい!」

「よろしい。で、生徒会長になったわけですよね昌幸君は」

「はい」

「じゃあ、私の恋人になってね?」

「はい?」

「ん?どうしたの?」

「い、いやー今なんか恋人って単語が聞こえた気がしたなー。たぶん、空耳だよなーかかりますよ」

「空耳じゃないよ。生徒会長になったからには、私の恋人になってもらわないとね」

俺の聞き間違いないではなかったみたいだった。

「でも、意味がわかりませんから。生徒会長になったから私の恋人になってって。それに、俺には、好きな人がいますから」

俺は、あの告白カミングアウトしてきた女の子のことが好きなのかは、わかんないけど、俺は、あの子を絶対に惚れさせてやると決めたのだから、このお願いは正直とーても嬉しいのだけれど、断らせて貰った。

「ふーん。その昌幸君が好きな女の子の名前はなんて言うの?」

「いやー、それは、個人情報ですし、教えることはできませんよ」

「わかった。歓迎するよ生徒会は君を」

「ありがとうございます」

そして、俺は、無事に生徒会にも歓迎され、そして、生徒会長として学校生活が始まった。

この時の俺は生徒会長ってものがどのくらい大変なものなのか知る余地もなかった。



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