第7話デート⁉

俺は、ものすごく週末が楽しみである。

なんたって、俺の初デートなわけだしね!

でも、妙に時間が経つのが遅く感じるのだ。

何故だろうか?これは、あれか楽しみにしているゲームの発売日がなかなか来ないなーと思うのと一緒のやつだな。

そんな、ふうに悶々としている毎日である。そして、金曜日の夜。

俺は、待ち合わせ場所が、地元の大きいショッピングモールであることと集合時間が10時半ごろであることを確認して眠りに着くのであった。

そして、待ちに待った土曜日。

現時刻は、10時。ん?10時!

「これって、やばくないか?」

集合場所までだいたい30分は掛かる。

「ってことは………………俺遅刻しちゃうーーー!!!」

学校もあの子と会うまでは遅刻なんぞしたことなかった俺がよりにもよって大事な初デートの日に寝坊なんというものをしてしまうなんて!

「って、そんなくだらんこと考えとらんで動けよ俺!」

自分の思ったことにつっこみを入れる俺であった。

それから、急いで、準備をして朝ご飯は食べずに家を出た。

自転車をもう、それは真剣にこいだ。

そして、ショッピングモールに到着したには10時40分。

つまり、俺は見事に遅刻したわけだ。

周囲を見渡してもどこにも彼女の姿が見えない。

帰ってしまったのだろうか?いや、そんなことはないはず。というかないよね?だ、だって遅れたのだって10分だけだぞ。うん、そんなで帰るわけがない。

………………………いない。

あれから10分周りを探したけど一向に現れない。

もう、帰ろかなと思ったその時である。

遠くの方から

「近藤君帰らないでください!」

と聞こえてきた。

俺は声が聞こえてくる方向へと顔を動かすと、ちょっと離れたところから走ってくる百瀬がいた。


「は、はあ………………遅れちゃってごめんなさい」

「ん?いや、全然待てなんかないよ」

「え?そうなんですか?あ、もしかして近藤君も集合時間に遅れたんですか?」

「いや、そんなことないぞ。ほら、前言っただろ俺は皆勤賞だって。あの日までだけど」

「そうですよね。近藤君って遅刻しない人でしたもんね」

「ああ」

俺は、どうにか俺が遅刻したということを誤魔化ことができた。

「じゃあ、行きましょうか」

「そうだな」

「で、どこに行くんだ?」

「え?そんなの近藤君が考えてくれていたんじゃないんですか?」

「え?」

そうなの!そんなの初耳だよ。だって、俺ご飯食べに行くだけだと思ってたんですし、でも、ここは男の威厳?なのかはわかんないけど

「ああ、考えてあるぜ」

と言ってしまう俺であった。

「じゃあ、どこに行くんですか?」

「えーとな、そう。このショッピングモールである!」

ちなみに、集合場所を指定したのは俺。だから別にここがデートする場所だって主張してもおかしくないはず!

「ここですか?なんというは普通ですね」

「そうだよ。デートでショッピングモールなんて普通だよな。でも、その王道とも言えるショッピングモールでのデートではあるが。でも、俺の手に掛かれば一風変わったデートになるから」

「へえーそうなんですか」

俺は、自分で自分を苦しめてしまったのであった。

果たして一風変わったデートとは何ぞや。

全くもってわからん。

「じゃあ、行きましょうか」

「そうだな」

まず初めに洋服屋に行った。

それは、まがりにも今日はデートをしてくれているというお礼のつもりでなにか服を買ってあげようと言う魂胆のもので行ったにだが………………

高すぎて、一介の高校生が買えるような代物ではありませんでした!

だから、唯単に百瀬が試着するのを見て

おー似合っているぞとかなんとかそんなようなことを言ってその場どうにか切り抜けることができた。

次に行った場所は、ゲームセンターだ。

まあ、時間潰しにはいいかなーと思ったからであったが、これが予想以上に楽しかった。

百瀬と某有名太鼓を叩くゲームで一喜一憂したり、あの、音楽にのせて踊るゲーム一緒に

真剣に踊って勝負したのはものすごく楽しかった。

そんでもって、今現在の状況なのだが。

昼御飯どこで食べるか模索中である

「近藤君、見つかりましたか?」

「いや。どこ人がいっぱいで入れないみたい」

そう、ゲームセンターで時間を使いすぎてしまったがために昼時と被ってしまい、どこも満席という状況であった。

「どうしましょうか………………」

「まあ、待つしかないな」

「そうですね。………………あ!そうだ!」

「ん?どうしたそんなに大きな声出して?」

「この待ち時間を、如何に無駄にしないかを思い付いたので」

「そうか!で、なんなんだ?」

「それは、本屋に行けばいいのです!」

「ん?ああ、そうか」

「むうーなんですかその薄い反応は!もっとこうすごい!って感じをだしてくれてもいいと思うですけど」

「いや、だって、本屋に行くってことは唯単に時間潰しだよね?」

「そうですけど!なにかおかしですか⁉それとも本屋はおもしろくないと言いたいのですか!それについてはもの申したいことがあるんですけど!」

「俺別に本屋がおもしろくないとか思ってないから。というか俺も本好きだから」

「え⁉そうなんですか!近藤君も本好きなんですか!」

「ああ」

「え、じゃあ具体的にどんなのが好きなんですか?」

「えーと、まあ俗にいうライトノベルってやつだな」

「そうなんですか!私もラノベ好きですよ。特に俺異世界に転生してしまいましたとか好きですよ」

「え、まじか!俺転好きなの!あれ俺全部持ってるぞ!あ、そういえば今日新刊に発売日だったような………………じゃあ早速本屋に行かなくては!」

「そうですね!」

そして、俺と百瀬は本屋に行った。

だが、俺がほしていた本はなかった。

でも、本屋で百瀬の過ごす時間はとっても楽しいものであった。

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