第27話 挨拶

今俺と、眩は、眩のお父さんの部屋に向かっている最中である。

「なあ、本当に良かったのですか?」

「泊まること?」

「そうです。前は、同棲することになるかもとか言ったときは、恥ずかしそうだったけど、今日は、別にそんな感じじゃなかったですし」

「私も恥ずかしいかったよ。異性を自分のに泊めるなんてでも、近藤君の妹がいたから、そんなところ見せるわけにもいかなかったからね」

「そうなんですか……今自分の部屋とか言いました?」

「うん」

嘘だろ!あの、学校のアイドルの部屋に泊まるだと⁉

「いや、おかしいだろそれ!」

「え?なにが?」

「だって、俺たちは」

「恋人ですからね」

「いや、でも、恋人フェイクだし」

「確かにそうですけど、お父さんの前では、近藤君は 、私のお婿さんなので、至ってふ、普通なのでは⁉」

あ、眩も少しながら、恥ずかしいんだ。

「はあー、そうですね」

「では、いきますよ」

「はい」

はあ、どうしようかな。まさか、眩の部屋で泊まることになるとは、思わなかったけど、これもまた現実か。と妙に納得する俺であった。


「入りますよ」

「ああ」

眩のお父さんの部屋は、机とベットと、本棚意外なにも置いていなかった。

こういう豪勢な、家の大黒柱なら、もっと、部屋も豪勢なのだと思っていたが……

そういうわけでもないんだな。もしかして、お母さんが怖い人とか。っと少し不安を抱くのであった。

「こんにちわ、近藤君」

「こ、こんにちわ。眩さんのお父さん」

「ああ、お父さんは、止めてくれ。そういうのは、家族になってからだと、祥子さちこさんに言われてるからな。本当は、お父さんって呼ばれたいのだがな」

ああー、やっぱり怖いのかな。その祥子さんてのは。

「はい、わかりました。では、なんと呼べばいいですか?」

心愛ここあと呼んでくれ」

「は…………い」

やばい 、笑いを堪えることができるかこんなの⁉心愛って、もう完全に女の子の名前じゃなか⁉どうしよう、心愛さんって、呼べる気がしない。

「ああ、そういう反応になるよな。そうだよな。現に私も恥ずかしいしな。まあ、そのなんだ、私が、外用として使っている名前でよいのならそっちがいいだが」

「はい。よろしくお願いします」

「大樹だ」

「はい。大樹さん」

ふー、よかった。なんとか、心愛さんって呼ばずにすんで。もし、俺が、子供の名前を付けることになったら、子供の将来を思って、付けて上げようと思うのだった。

「で、お父さん。近藤君が私のお婿さん候補なんですけど、いいですか?」

「ああ、でも、一応挨拶をしてもらいましょうか」

挨拶しなくてもと思ってしまった俺を殺したい。やっぱり、挨拶しないといけないのね!

「はい。わかりました。眩さんは、学校では、生徒会副会長として、僕のことを引っ張ってくれています。そして、先輩としても、僕は尊敬しています。そして、女性としては、可愛いところもあります。そんな、眩が僕は好きです」

「そうか。わかった。よかったな眩」

「はい」

この会話からして、合格ってことでいいのかな。よかった。それにしても、意外にも、早く終わったな。

「では、今夜はゆっくり、しっていってくれ」

「はい。では、いきましょう」

「はい」

そして、俺たちは、大樹さんの部屋をあとのした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る