形から
「私思ったんだけど……」
ところ変わらず保健室、ベッドの上。
看病(?)をしてくれていた橘さんが唐突に切り出してきた。
これは現在、俺が死にかけた(一瞬死んだ)原因、プールに沈む結果となった魔法発動実験を巻き起こした嫌なパターンだ。
絶対ロクなことにならないだろう。
「何?」
とはいえ、せっかく考えを述べようとしてくれているのだ。無下にはできまい。
「雄二郎って魔法少女じゃん?」
ん?なんだ?唐突に、
「あ、ああ、みたいだな……」
わからん、
最初にそう伝えたはずだし、橘さんも理解した上でスポンサー契約をしてくれたのではないのか?
「でも、雄二郎って、正直言って、男……だよね?」
「ああ……」
え、
「どう考えても少女じゃないのに、魔法少女っておかしくない?」
今更⁉︎
「お、おお、おかしいとは思う……」
おかしいとは最初から思ってるよ⁉︎
でも強引に魔法少女にされたんだもん選択の余地なかったんだもん
今更説明しても仕方がないとは思うし聞いても来ないから話題にしなかったけど今更⁉︎
「すまん、黙ってて、でもこれには色々事情があってな……」
あの怪生物とかあの怪生物とか、
「いや、それはいいの、魔法少女だもんね、色々あるよね?」
………?
………少し違和感がある返なような
「それはいいんだけど、もしかしたら雄二郎の魔法が上手く発動しない理由ってそこなんじゃないかって思って……」
??そこ??
「……どこ?」
「雄二郎が男ってところ」
魔法少女なんだし、少女じゃないと魔法使えないんじゃね?
……………
……………なんか、
「そんな気がしない気もないような気がするような……」
「でしょ?」
……………。
……………。
………………え?
「いや、それがもしそうだとして、どうしろと?」
そんなんどうしようもないじゃん?
その辺この後怪生物にでも聞いてみるか……
「という訳で形から入るのはどう?」
「だな」
……………?
……………ん?
「…………え?」
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