Q
……………死んだ?
死んだのか?俺は、
先程までの浮遊感はなくなり、ぴたりと静止した空気感、
あのままなら、数瞬後には硬い地面に頭からぶつかり、想像もつかない激痛に見舞われていたことだろう。
が、軽く5秒はたっても今は痛みも痒みも襲ってこない。
恐る恐る目を開けると、そこはお花畑……ではなく、見知らぬ個室にいた。
窓にはカーテンがされており、外がわからない。
わかるのは、ここは埃っぽい室内で、空調の類は一切ない狭苦しい部屋だということだ。
前にはまるで圧迫面接みたいに、ビシッとスーツ姿の険しい顔をした男女5人が、並んで長机についてこちらを見ているし、一体なんなんだ?
気がつかなかったが、俺も席についていた。
俺が目を覚ましたのを確認して、無言で頷いた真ん中の眼鏡が口を開く。
Q、あなたは魔法少女になったら何がしたいですか?
口は動いているのに、声が出ていない。
視界にゲームとかでよくあるセリフが表示されるアレが出て、そこに言葉が表示されている。
一瞬戸惑い、質問を理解、どう答えたものかと考え……
A、はい、世界平和のために尽力したいですね。魔法の力で災害や病気に苦しんでる人を助けたり、人種や性別で争っている人達の間に入り、問題の解決へ向けて努力したいです。
口が勝手に動いて思ってもいないことを喋っていた。
Q、なるほど、では、どのような魔法があればそれらを解決できると思いますか?
これはまた難しいことを……
A、はい、最も良いのが圧倒的な破壊力です。
破壊力がれば大抵の荒ごとは片付きます。
あとは精神支配的な力も望ましいですね、対象の精神を操り、強制的にその場を収束、またはその元を断ちます。
怖い怖い怖い‼︎
物騒‼︎そんなこと考えたこともないから‼︎
Q、ふむ……なるほど……わかりました。では、質問は以上です。良い、魔法少女ライフを送って下さい。
質問終わり⁉︎なんか物騒な話になってたけど⁉︎
だんだんと視界が白くなっていき、夢から覚めていくのを理解する。
結局何の質問だったんだ?精神診断とか、適性検査とかか?
ならアウトだろ⁉︎こんな武力行使やら精神支配やらを考えてるやつ‼︎
外へ出したら絶対ろくなことにならない‼︎
叫んでも声が届いている気配がない。
最後に見えたのは、面接官達が揃って席を立ち、どこかへ歩き去る場面だった
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