魔法少女
魔法少女とは、その名の通り、魔法の力を行使する少女のことを指す。
一般的に12〜の中高生が、とある出来事をきっかけに魔法の力に目覚め、悪と戦ったり、人助けをしたりするイメージが強い。
が、
ここでの魔法少女とは、そんな華やかなイメージとはかけ離れた存在だ。
12〜の少女が怪生物と契約して魔法に目覚めるのはそうなのだが、使命や、目的などはない。
彼らはある日突然12歳を迎えた少女の前に突然現れこう言うのだ『僕と契約して魔法少女になってよ』と。
選ばれる少女には特に何かしら決まりや法則があるわけでもないようだ。
契約しても特に何かあるわけでもない。
断ることもできる。
倒すべき悪もいないし、人助けをする者もゼロではないが少ない。
契約すれば何でも願いが叶うとかも無い。
ただ、昔からそういうシステムがあって、魔法少女になれば、魔法という超常の力を使うことができるようになるという認識が誰にもにあるという程度だ。
怪生物の言い分としては、『魔力とは酸素みたいなもの、適度にあるといいが、多くなりすぎると害を及ぼす。地球上には昔から魔力が存在していて、増え続けている。このまま増え続け、害を及ぼし始める前に適度に消費してくれる存在を作っている』だそうだ。
魔法の才能は人それぞれのようで、とんでもない魔法に目覚める者もいれば、しょうもない力しか使えない者もいる。
後者がほとんどだ。
そんな感じで、夢見る少女にとって魔法少女は、特にテレビの中だけの憧れの存在でもないし、身近なものでしかないのだ。
いつの間にか世に馴染み、皆が慣れた頃、
そんな中、いつか、これだけ色々な愉快な力を持つ者がいるのに、何もないのはつまらないという考えを持つ者が現れた。
力を持て余していて、その力をぶつけ合い、最強を決めたいと言う者が現れた。
とはいえ、みんながみんな戦闘に特化した魔法を使うわけではない。
個性豊かに違う力を使う魔法少女達の力量を図ることは難しい。
倒すべき悪はいない、みんながみんな魔法少女になれる訳ではないから、表だって魔法の能力測定会みたいなこともできない。
なら、
と、ある魔法少女は、裏で腕試しをしたい魔法少女を集め、ルール制限不要の、あらゆることから解放された魔法少女達が全力で競い合うことができる場を用意することにした。
それが最強魔法少女決定戦。
優勝報酬は『金と魔法で何とかできることなら何でも願いを叶える』だ。
これまでに9人の優勝者が様々なことを願った。
恋を叶えたい。さらに強くなりたい。人生勝ち組になりたいetc.
そして、前大会優勝者が願ったのは、
『次の出場者を一人指名したい』
結果、第十回最強魔法少女決定戦には、異例となる男の参加者が認められたというわけだった。
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