本題②

「なるほど、雄二郎さんが優勝すれば、同じ報酬、つまり金と魔法でできることならなんでも願いが叶う、が、私も貰えると」


「そうゆうことだ、どうだ?」


改めて話しをすること5分、


「こうして雄二郎さんと出会ったのも何かの縁‼︎いいでしょう‼︎私にできることなら何なりと‼︎そして願いが叶うなら万々歳だ‼︎」



バンザイして声を張り上げる橘さん。


とても嬉しそうで何よりだ。



その後は、流れるように契約書にサインしてもらい、正式に橘さんは俺のスポンサーになった。


「………では、これから優勝目指して頑張るとして」


ひとしきりはしゃいだ後、素に戻った橘さんはあることを言い出した。


「雄二郎さんの魔法はどんななの?それによってこれからトレーニングや修行しなきゃだし?」


「…………」


来るとは思っていた質問。


トレーニングや修行とはまた、漫画の話じゃないんだからと笑いたくなるが、そんな余裕は、残念ながら今の俺にはない。


「………………ません」

「………………?」


「…………」


「………え?雄二郎さん?」


なんで黙るの?と首を傾げる。


「いや、その……」


いっそのこと、めちゃくちゃ弱い魔法とでも言えばよかったのだろうが、仮にも優勝を狙う身としては、いきなり落胆させるのはどうかと思い、だからといって馬鹿正直に「まだわかりません……」なんて言おうもんなら、「よくそれで最強目指そうと思ったな」とか言われそうでなんかやだ。


と悩んでいるうちに1秒2秒と時間は経ち、


何かに気づいたらしい橘さんの顔がみるみる青くなる。


「………わかりません」

「なんだって!?」


諦めて本当のことを言うことにした。


やっぱり嘘は良くないと思ったから。

「え?何?じゃあ、とりあえず魔法少女になったけど、肝心のどんな魔法が使えるか全くわからない?」


「………はい」

「なのに、近々行われる最強の魔法少女を決める大会に出る?」

「………はい」


「………え?わからない、よくそんな状態で最強目指そうと思ったな」

「…………すんません」

「いや、別にいいけど………」


さて、


困ったことになった。

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