夢(二回目)

……ここは?


また空の上だ。

雲が横を飛んでいる、


どうやらまた夢を見ているみたいだ。


さすがに二回も続けば分かるようになってきた。

このフワフワ浮くような感覚。

遥か下に広がる街並み。


前に見たときと同じだ。


なら、


そうとわかれば居てもたってもいられないと、精一杯首を回す。


前回気になって仕方がなかったが、確認出来なかった背中を見るためだ。


どうやって空を飛んでいるのか、気になって仕方なかったのだ。


夢とはいえ、空を飛ぶには何かしら理由があるはずだと思ったが、


残念ながら羽はなかった。


鳥のような綺麗な白い羽や、妖精のような薄い透明の羽や、どんな羽がついているのか想像してワクワクしていたのに、そもそもなかったとは残念すぎる。


たが相変わらず体は軽く、まるで体重が消えたみたいにフワフワ浮いて、風船みたい空を飛んでいく。


風船と違うのは、やはりどこかへ向かっているようで、横へ横へと飛んでいるところだ。


二回目とはいえなかなか慣れないこの感覚に酔いすら覚える。


もう訳がわからない。


……そうこうしているうちに、目的地に到着したようで、浮遊感が薄れ始める。


ブレーキでもかかったのか、軽い抵抗感が前から来て移動スピードが落ち、静止する。


そして、


「やっぱり落ちるんかーい」


前と同じく自由落下した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る