03-②【Past】




 黒文字蔵人は見目麗しい青年だった。勿論、老年になってもハンサムなおじいちゃんだった。

 テレビドラマや映画に出演する俳優よりも、おじいちゃんの方がずっとカッコいい。幼少期の読人は本気でそう感じていた。

 しかもただ顔が良いだけではない。読人は蔵人がだらしない姿をしているところを見た事がなかった。

 いつもパリっとした仕立ての良いスーツを着て背筋を伸ばし、口調も丁寧で娘である栞にさえも敬語を使っていたほど。読人が小学生の頃、仕事が忙しかった両親に代わって蔵人が授業参観に来てくれた時も、クラスメイトや先生、保護者からも「カッコいいおじいちゃん」と言われて誇らしかったのを今でも覚えている。

 しかしご存じの通り、孫は祖父の顔は受け継がなかった。中学校の時、どうして祖父に似なかったのかと、祖父にそっくりだった亡き伯父の遺影を穴が開くほど恨めしい視線を送った頃もあった。

 あの頃は、思春期故に色々あったのです。

 蔵人はそんな、孫である読人から見ても現代の「イケメン」に分類される美形だ。

 日本人にしては色素が薄く、サラサラの流れる髪の下に隠れている垂れ目がちの双眸のみならず、顔のパーツが見事に左右対称に揃っており、その顔で優しく微笑まれれば初心な乙女ならば思わず赤面してしまうだろう。

 が、彼にそんな微笑みを向けられた紫乃は頬を紅潮させなかったし、ドキっと心臓がときめいたりもしなかった。

 むしろ彼の胡散臭さが倍増した。いくら美形でも、その直前の言動に問題があれば許されることも許されないのである。

 だけど、今は彼に構っている暇はない。今の紫乃は【戦い】の最中なのだ。


「“自己防衛”に感謝はします。お陰様で、じっくりと想像する時間ができましたからね」

「おやおや、それは何よりです」


 紫乃が『源氏物語』の【本】を開くと、その光は一層強くなっていた。

 斧が岩の扉と壁に振り下される耳障りな音に囲まれていても、彼女の想像力は止まらない……今の自分の最凶の一手を、創造したのだ。


「くっ、何て頑丈な岩のドームだ!」

「ドームじゃありませんよ。引き籠るための岩戸です」

「っ!」


 蔵人のその言葉で岩戸が開かれたのは、もう自己防衛する必要がなくなり引き籠りを終えた事を意味していた。

 一体何が出て来るのかと身構え、三本の斧を構え直したのだが、岩戸が開かれた瞬間にナルキッソスの嗅覚と第六感が異常を察知したのだ。

 岩戸の奥から漂って来たのは、異常なまでの芥子の匂いだった。しかもその匂いは、背筋に痛いほどの悪寒が突き刺さり、腹がずくりと痛むほどの緊張も連れて来た。

 それは呪いだ……神々が怒り狂って人間に与える天罰ではない、ちっぽけな存在である人間が恨み辛み嫉み妬みその他諸々の負の感情を爆発させて、その魂と引き換えに全てを破滅させるそれが、岩戸の奥から出て来てしまったのである。


「な、何だ……! 彼女の【本】の、登場人物か」

「女の愛憎の恐ろしさ、その身に刻みなさい。創造能力・六条御息所――」


 恋人であった光源氏の愛に溺れ、我を忘れ、嫉妬と愛憎に狂った美しき女性。彼女は生霊として彼の妻たちを殺害し、死しても尚、光源氏を苦しめる悪霊となった。

 あまりにも深いその恨みは、光源氏に降りかかった不義の結果に満足してコノ世を去ったと言われている……愛情が深く激しかった分、それが転化した憎悪もまた深く、激しく、かつての愛人を苦しめた。

 祈祷に使われる芥子の香を豪華絢爛な十二単に染み込ませ、艶やかな翡翠の黒髪は背の丈を越えるほど長く美しい。

 しかし、知的な魅力あふれたそのかんばせは見えなかった。顔からは般若の面が一枚、また一枚と剥がれ落ちているのだが、面が何枚落ちてもその下にまた般若の面が存在して素顔が見えない。落ちた般若は黒い雫となって地面に涙痕を作り、泣き止む気配もない。

 十二単に咲くのは乾いた血のように赤黒い薔薇の花。その薔薇と、単によく調和する何十本もの帯紐が彼女の全身を拘束し、解き放たれないように封印を施しているようにも見える。

 紫乃の背丈の倍はある六条御息所の怨念が、彼女の想像力で創造された姿だった。


『ア……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!』

「……!!」

「……これは」


 心臓に刃を突き立てられ、脳を直接揺さぶられそうな甲高い叫びは、本来ならば飛び起きるほどの悪夢であった。

 あ、彼女の勝ちだ……自身の【本】を懐へしまった蔵人の表情は、既に六条御息所に呑まれているナルキッソスを見てそう感じているように見えた。

 ナルキッソスの表情が語るのは、恐怖と美しい悪霊への畏敬だ。怪しくとも美しいその姿と、憐憫を抱く感情も湧かない恐ろしさを併せ持つ彼女の存在に、完全に心を捕らわれている。

 相手が想像し創造した世界観に感動し、恐怖し、微笑し、畏怖を抱いた時点でもう、逃れられない。

 金の斧と銀の斧は戦意を喪失してしまい、ただ腕に握られたまま。鉄の斧は【読み手】の危機を察知して盾となり前に出て来たが、三本の斧は六条御息所が伸ばした帯紐が這い伸びる。細い腕と指が人間の首をじわじわと絞めるように、あまりにも静かに、帯紐は三本の斧に薔薇が咲いたようなヒビを入れながら縊り壊したのだ。

 金と銀と鉄の欠片が、ガラガラと崩れ落ちたのである。

 ナルキッソスの腰が砕けて石畳に尻餅を着き、身体は冷や汗だらけだ。しかも、大切な【本】まで落としてしまっていた。ページが開かれたままの『金の斧・銀の斧』の【本】は、紫乃の手の中にあったのだ。


「……参った。降参だ」

「随分、素直に敗北を認めるのですね」

「お嬢さん……シノ、貴女のような女性に引導を渡されるなら、早々と脱落しても悪くはない。貴女はアテネではなく、エリーニュスだったようだ」

「復讐の女神なんて、失礼ですわね……めでたし、めでたし」


 紫乃がその言葉と共に『金の斧・銀の斧』を閉じると、三本の斧を手にした女神の紋章が裏表紙から離れて空中に浮かび、光と共に『源氏物語』の【本】の中に吸い込まれた。これで【本】は不思議な能力を失う。『金の斧・銀の斧』は、ただの美しい装丁の本に戻ったのだ。


「どうもありがとうございました」

「ああ……お手は結構。これ以上、シノの前で醜態を曝せられない」


『金の斧・銀の斧』をナルキッソスへ返し、未だに石畳へ座り込んでいる彼へ手を伸ばせばやんわりと拒絶されてしまった。自分の力でゆっくりと立ち上がり、紫乃へ向かって紳士的に一礼すると晴れる気配を見せない霧の向こうへ、消えてしまった。


「……」

「……」

「何で、先程よりも後退しているのですか?」

「いやぁ、見事な方を創造したと思いまして……」


 ちょっと距離を取った蔵人が、苦笑いをしながら左手を首に添えていた。目は口ほどの物を言うとあるが、彼の目は確かにこう語っている……「よくまあ、あんなのを想像して創造できたね」、と。

 そりゃ、日本文学の中でも悪名高いあのお方を見ちゃったらこう思っちゃうだろう。超恐かった。


「貴方も、【戦い】のためにこのロンドンへ?」

「はい。『竹取物語』はこのイギリスの地にあると聞きましたので。それに、この国をこの目で見たかったので」

「理由は?」

「?」

「貴方が【戦い】に参加する理由は? まさか、不老不死になりたいなんて……本気で思っていないでしょうね」


 ボーラーハットの下から覗かれる紫乃の瞳に、射殺さんばかりの鋭い殺気が籠っていた。

 彼女がロンドンの地に来たのは、【戦い】の優勝賞品である『竹取物語』の【本】、ひいては不老不死の薬を愚者に渡さないためだ。自分自身が『源氏物語』の【本】と共に最後の1人に残り、『竹取物語』ごと封印すれば今回の【戦い】で不老不死になる者は現れない。

 そして、不老不死に目が眩んだ者を事前に止めるのもまた、彼女に降りかかった使命だ。回答次第では、この男からも紋章を取り上げられなければならい。


「私が【戦い】に参加する理由、ですか……そうですね。強いて言うならば、【戦い】が面白そうだからでしょうか」

「……はぁ?!」

「50年に一度しかない【戦い】でしょう。折角【読み手】となったなら、参加してみるのも悪くないと」


 呆れて物も言えないとは、こんな状況を言うのか。紫乃は何も言えなかった。目の前で嬉々として語るこの男が、言葉も常識も何も通じない異星人のように見えたのである。

 こいつ、ぶん殴ってやろうか。本日二度目のその思考も、再び頭の中に浮かんで来た。


「あ、申し遅れました。まだ名乗っていませんでしたね。私は黒文字蔵人。某大学で助手をしております。【本】のタイトルは――」




***




「……っ? え?? ええ?」


 蔵人が紫乃へ名乗ったタイミングで、読人の夢は覚めた。

 ベッドサイドの目覚まし時計を確認してみると、セットしたアラームが鳴る1分前。あまりにも突然目が覚めてしまい頭も意識も何も理解していない状況だが、彼は無意識に何かを抱き締めていた。

 ポカポカと温かくすやすやと寝息を立てている、40cmほどの大きさの火鼠の衣を抱き枕のように抱き締めて眠っていたのであった。


「ひぃぃぃぃ~~!」

『んー……五月蠅い』


 本日の黒文字家の朝は、読人の悲鳴と彼の目覚まし時計のアラームの二重奏で迎えられたのだった。

 今日の予定はやっぱり蔵人の家の片付けだ。仏壇は昨日の内に運んでしまったので、残りの細々した日用品を読人の家に運んでまたもや母にコキ使われたのだが、夕方の読人はお風呂に入ってベッドに倒れ込まず『若紫堂』に来ていた。

 あの『竹取物語』の【本】を手にして。


「いらっしゃい。お前さん、決めたのかい?」

「はい」

「なら、奥に来なさい」


 店に入ると、紫乃がレジカウンターに座っていた。

 改めて見ると、確かに彼女は読人の夢に出て来た「琴原紫乃」と同一人物だと分かる。寄る年波に揉まれても、弧を描く柳眉や瞳の凛々しさは若い頃も美人であったと教えてくれるのだ。

 紫乃がお店の入口に『休憩中』の札を下げてから、奥の茶の間へと導かれる。差し出された座布団に正座をして、その前に『竹取物語』を置いた。


「奥島さん。奥島さんの旧姓って、「琴原」ですか?」

「……蔵人さんから聞いたのかい?」

「いいえ……夢で、視ました。50年前のロンドンで、奥島さんと祖父が出会ったその時の」

「っ!?」


 読人は紫乃に全て話した。昨夜の夢の中で、50年前の【戦い】の記憶を視たこと……若かりし頃の彼女が『源氏物語』の【本】を手にして、『金の斧・銀の斧』の【読み手】と戦った事こと。その最中に、蔵人と出会ったことを。

 正直言うと、夢の記憶は時間が経つにつれて薄れてしまい朝ほど鮮明に覚えていない。紫乃とナルキッソスの【戦い】の具体的な内容も薄れかけているが、登場人物だけは未だにはっきりと覚えている。そして、若い頃の蔵人の姿も。


「奥島さん……50年前、祖父がご迷惑おかけして申し訳ありませんでしたー!」

「本当にさ」


 2人の【読み手】をイラ付かせた蔵人の言動を、50年経って孫が深々と頭を下げて謝罪したのだった。


「今となっちゃ、死ぬ前にもう一発ぐらいぶん殴っておけば良かったと思うよ」

「はあ」

「それで、お前さんは蔵人さんの愚行を謝りに来ただけかい?」

「いいえ、違います。俺……」


 昨日の読人は、はっきりした理由が欲しいと言った。生半可な気持ちで生命の危険がある【戦い】に参加するなんて、紫乃にも桐乃にも失礼なのではないかと心のどこかで考えていたのだ。

 だけど夢を視た。50年前の、青年だった頃の蔵人が「面白そうだから」を理由に【戦い】に参加したと言う過去を視て、もっと軽く考えても良いのではないかと思ったのである。


「50年前、黒文字蔵人が参加した【戦い】に俺も参加したいんです。俺、おじいちゃんのことが知りたい。おじいちゃんが何を思って、あの1年間を過ごしてこの【本】を手に入れたのかが知りたいんです」

「……蔵人さんが理由なのかい?」

「そんな強い理由じゃありません、けど」

「良いだろう」

「っ!」

「理由なんて、これから先にいくらでも付け足せるんだ」


 大切なのは、今日此処に来て身を投じると自分の口からはっきりと告げた意志だ。そう言って、紫乃は読人へ『竹取物語』の【本】を差し出したのである。


「良い、んですか?」

「お前さんの【本】だ。手放すんじゃないよ」

「っ、はい!」


 その大きくはっきりした返事と共に、白い【本】を逃がさないようにしっかりと抱きしめた。長い前髪の下にある双眸に、喜びと決意の光を宿しながら。


「それじゃあお前さん、親御さんにバイトの了承を取ってきな。うちが人手不足とか、色々理由を付けて」

「バイト、ですか?」

「桐乃と同じさ。バイト兼弟子……私は厳しいよ、読人」

「っ! ありがとうございます!」


 桐乃が言った事は確かだった。紫乃は「言い方はちょっとキツいけど、基本的には優しい人」。年齢を感じさせない凛々しい眼差しの中に、蔵人が読人に向けた視線と同じ愛しい孫を慈しむ感情が込められている。

 読人は再び、今度は謝るためではなく喜びを全身で表すために、紫乃へ深く深く頭を下げたのだった。


「それじゃあ、これから読人君が弟弟子って事になりますね」

「あんたも色々と鍛えてやりな。あの子は幸いにも、蔵人さんには似ていない……顔も性格も。素直な良い子だ」


 読人が帰った後に出勤した桐乃は、エプロンを着けて右手にハタキを持って本棚の埃を払いながら弟子入り兼バイトの話を説明された。

 働き手が増えるのはありがたい。『若紫堂』は店主である紫乃が1人で経営しており、従業員もバイトの桐乃だけで実際に人手不足だ。重い本を扱う機会も多いので男手があると助かる。


「確かに、素直そうな子でしたよね。と言うか、蔵人さんってそんなに性格に難ありだったんですか?」

「大ありだよ。いつも無自覚に慇懃無礼で、周りのことよりも自分の興味と好奇心で生きているような男だったさ。結婚すると聞いた時は耳を疑ったよ、嫁が可哀そうとも感じたさ」

『それって、自分に素直ってことにはならないのかな?』

「本当に、あんな能天気は絶対に100歳まで生きると思っていたのに……たった50年で、アッサリと逝っちまうなんて」

「……」


 50年分の愚痴を零しているが、紫乃が蔵人の事を本気で嫌いな訳ではなかったのは桐乃にも分かっている。でなければ、前回の【戦い】から50年経った今でも交流を持たないし、年賀状のやり取りもしないはずだから。

 今年も1月1日にお互いの年賀状がポストに届けられた。

 蔵人からの年賀状には、シンプルな干支のイラストと「謹賀新年」の文字に、蔵人の自筆で一筆書かれていた。紫乃は随分と達筆に書かれたそれを、レジカウンターの引き出しに入れたレターファイルから年賀状を取り出して眺めてみるが、その一筆は彼女に少しの謎を遺していたのだ。




 私は読人に託しました。

 どうか、あの子を導いてやってください。




「……あの子に、何を託したって言うんだい。蔵人――」




***




 イギリスの春の訪れは日本より遅く、3月になってもまだまだ肌寒い日が続くらしい。

 もう一枚ぐらい厚着をしておけば良かったかなと、中折れ帽子をテーブルに置いた青年はウエイトレスに運ばれて来たばかりの紅茶に手を伸ばす。折角イギリスに来たのだからアフタヌーンティーを体験しようと、自分の勘を頼りに目に付いた店に飛び込んでみたが、この紅茶の香りは当たりだ。


「……黒文字蔵人」

「おや、こんにちは紫乃さん。紫乃さんも、アフタヌーンティーですか?」

「いいえ、貴方を捜していました。何なんですか貴方? 面白そうだからって理由で、不老不死の薬をかけたこの【戦い】に身を投じるなんて!」

「?」


 あの日、霧の濃い夜の裏道で出会った時、名乗りついでに「自分は不老不死には興味ないです」と蔵人は宣言していたが、紫乃はそれがお気に召さなかったらしい。どこまでもフザケタ男、とでも映ったのだろう。

【戦い】の本質を軽く見て、好奇心でイギリス・ロンドンにまでやって来た愉悦者にまだまだ文句が言い足りないのだ。


「私、結構真面目に【戦い】に参加しているつもりですけど」

「はあ……もう良いです、きっと貴方とは根本的に解り合えないようですね。いつか、貴方とも戦う日が来るでしょう。それでは、失礼しました」

「待って下さい、紫乃さん」

「何ですか?」

「一緒にお茶でもどうですか?」


 アフタヌーンティー、1人じゃとても食べきれないんです。そう言って蔵人が指差したのは、タイミング良くテーブルに運ばれて来たケーキスタンドだった。

 下から、サーモンとキュウリのサンドイッチ。正方形に切られたチョコレートと生クリームのケーキ。まだ湯気が立つ熱々のスコーンとクッキー。クロデットクリームのお供はブルーベリーのジャム。確かに、1人で楽しむにしてはちょっとと量が多い。

「勿論、ご馳走します」……ちょっと困ったような笑顔で首に左手を沿えた蔵人に対し、紫乃は観念したかのよう再び溜息を一つ吐いた。

 帽子を脱いで蔵人が恭しく引いた椅子に彼女腰を下ろすと、彼は紅茶を注文もしてくれた。蔵人が飲んでいる物と同じ、ダージリンのファーストフラッシュである。

 黒文字蔵人と琴原紫乃。

 この時の紫乃は、まさかこの男との関係が50年も続く事になるとは思っていなかったのであった。






To Be Continued……

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