カクヨムでは発表していない「二本松藩スピンオフシリーズ」として、昨年の夏に公開した「冬の訪い」という作品があります。
昨年の夏、やはり「二本松藩へのオマージュ作品」として、そして「直違の紋~」と「鬼と天狗」の世界観をつなぐ作品として、発表したものです。
https://note.com/k_maru027/n/n2812a02472a2?magazine_key=mf5f1b24dc620
https://note.com/k_maru027/n/n52ef417a80d0?magazine_key=mf5f1b24dc620
https://note.com/k_maru027/n/nadc8d56179fc
https://note.com/k_maru027/n/nbd2b7a334eaf
https://note.com/k_maru027/n/neea2fd8def27
文字数としては、トータルで確か13,000字程の短編。戊辰戦争後に大平村の観世寺(安達ケ原の鬼婆で有名)に謹慎させられていた鳴海&与兵衛の元を、安部井清介が訪れる……という小話ですが、まあ、根本的に鳴海は清介が苦手なんですよね^^;
→本日公開の「鬼と天狗」(出陣8)で、清介に鳴海の本心を見抜かれていますがwww
https://kakuyomu.jp/works/16817330661491248711/episodes/16818093080033551743
私が清介(磐根)に持っているイメージとしては、典型的な文系の優等生です。そこが、バリバリの武闘派の鳴海とは相性が悪そうなイメージがあったのですが、この清介、実は二本松藩きっての勤皇思想の持ち主としても有名でした。
ただ、藩士時代の清介の動向を伝えるエピソードはあまりなくて、惟一?取り上げられるのが、この「土方歳三&榎本武揚に喧嘩を売った」というエピソードです。
このエピソードからすると、何気に、磐根も結構気が強いんですよ。
まあ、後に福島県の自由民権運動家として、国会議員にもなる人ですから、割と気が強い面も持ち合わせていたのだろう……とは思うのですが。
その反面、バリバリの古典オタクで、特に短歌は万葉調の歌を読むという(絶品です)。
降積もる雪もけなくに吾園の梅かたゑみぬ春ちかみかも
とても明治に入ってから読んだ歌とは思えない品格があります。
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そんな清介と鳴海、実は一つしか年が違わないんです。
大身で将来の出世が約束されていた鳴海と、明晰な頭脳を持ちながらも家格が低いために出世が見込めなかった清介。
明治に入ってからはその地位が逆転しますが、二人とも「二本松の将来を思う」点では、共通していたのではないか……と、私は思います。
特に清介は、「直違の紋~」の主役である武谷剛介が二本松に帰郷するきっかけを与えました。
鳴海も、剛介が会津へ向かうきっかけを与えていますが、二つの作品の世界観をつなぐ「冬の訪れ」。
そのうち、カクヨムでも発表しようかなあ……なんて、思っています。