現在、鬼と天狗の最新話「筑波挙兵」を半分ほどまで書き進めたところです。度々中断していますが、いよいよメインテーマである「天狗党討伐」に動き出したわけですよ。
ところで、最近は二本松藩だけでなく「守山藩」の動きも追っています。
昨年末に入手した「樫村日記」が、当時の当地の「天狗党」の動きや藩政事情を知るにはもってこいの史料なのですが、その中で気になっていた人物がいました。
それが、「三本木鎗三郎」です。
樫村日記の中では時々「三本松」表記も出てきて、割と執筆者泣かせの人物なのですが、ちょっと訳ありで守山で謹慎させられていたのは、「嶽の出湯」で三浦平八郎に述べさせたとおりです。
https://kakuyomu.jp/works/16817330661491248711/episodes/16818093075996213406ただ、その「謹慎」の原因が分からなかったのですよね。
ですが、ふと思いついて「三本木鎗三郎」で検索したところ、出てきたのが添付画像の写真です。
ん?神威隊?
基本的に世界史畑出身なもので、日本史の現代以降については、私もあまり詳しくありません。そこで調べてみたところ、「廃仏毀釈」という不穏な文字とセットで出てくるではありませんか。
実は、「廃仏毀釈」については心当たりがありました。
というのも、筑波義挙直前の水戸藩内の動きとして、「天狗党&神道一派」がタッグを組んで、各地の仏像や寺院を破壊した……という記録が残されているのです。
これは、元々宗教上の対立から仏教と神道は相性が良くない部分もあり、それに目をつけた天狗党(激派)が、神道の一部と手を組んで攻撃したわけです。
もしかしたら、鎗三郎はこの動きに加わっていて水戸宗家、もしくは松川陣屋(ここも守山藩領)で咎めを受けて、奥州守山で謹慎を命じられたのではないでしょうか。
だとすると、後で三浦平八郎の命令で「松平大炊頭(宍戸藩主。宗家当主慶篤の代理として、天狗党鎮圧を命じられた人)に助力するように」言われていたにも関わらず、途中で脱走したのも説明がつきます。
……いや、この推測が当たっていたとすると、さすがに三浦平八郎に同情します^^;
一応小説の流れとして、「嶽温泉で色々画策する予定だったが、それを平八郎に止められた」としましたが、あれも満更フィクションとも言い切れなくなってきますね。
二本松藩にしてみれば、やはり「厄介な隣人」だなあ……というのが、私の印象です。