第2話 邪魔しないで
支配人に襲われてる女の子を助けたら、なぜか自分がその女の子に殴られた。
いや……なにこの状況? 陣◯のコント? なんでワシが殴られんの?
「え……?」
混乱しているのだろうか。そして目の前に男がいて、反射的に殴ってしまったのだろうか。
しかし目の前の彼女は明確に敵意を
そして
それから彼女は
「邪魔しないで」
「……邪魔……?」
「私は……」強い決意を秘めた目だった「私は……どんな手段を使ってでも、この世界で成り上がると決めたの。汚いオッサンでも……力があるなら利用する」
……
……
「同意の上やった、ってことか?」
「同意はしてない。けど受け入れてる。行為を受け入れたら、私はさらに大きな舞台に上がれるから」それから彼女は不敵に笑って、「しかも支配人の弱みを握れる。若い女の子を無理やり襲ったなんて知られたら終わりだからね」
「……」
「この行為さえ済ませれば、もう支配人は私に逆らえない。隠し撮りもしてる。お金もくれるだろうし、出演する場所には困らなくなる」
劇場の支配人を手駒にすれば、たしかに有利に戦えるだろう。
……
そのために自分の体も差し出す覚悟だったらしい。
「その邪魔をあなたはしたの。わかる?」彼女は
……
支配人の弱みを握る、か……
「……それはキミが、ホンマに望んでることなんか?」
「もちろん。私はどんな手段を使ってでも成り上がる。必ずこの世界で生き残ってみせるから」
「……そうか……」
対応には迷った。警察に通報するという手段もあったと思う。
だけれど
……
どんな手段を使ってでも成り上がる。
その気概はたしかに必要だろう。
だが……
とてもモヤモヤするのは、なぜだろう。
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