第18話

夕刻、予約済みのレストランヘ移動し夕食を終え再びホテルへ戻った。

スタッフやメンバー達は少し気を緩めた。ここまで何事もなかった。だが、念のため個別、単独行動は控えるように言われて居るため、それぞれの部屋で過ごしていた。


韓国警察のジュニョクとスンハンは明日からのスケジュールで日本の警察との打ち合わせに出ていた。


夜、ボディーガードの3人が手分けして各メンバーの部屋を訪れ異常が無いか確認に回った。


ウジンはライトの部屋をノックする。

中から誰?という声が聞こえウジンであることを伝えると解錠する音の後ドアが開いた。


「確認だ。」


そう言って中に入ったと同時に再び鍵を閉める。

「大丈夫か?」


ウジンは部屋を確認しながらあえて聞いた。


「うん。」


しばらくの沈黙のあと確認を終えたウジンが椅子に座った。

そして日本語で今の状況を話し出した。


「協力要請が来た。」


「そっか。ゴメン。煩わせて。」


そう言うとライトはベットに座る。


ウジンは腕を組みながら始めた。


「どう思う?」


「違和感だらけだ。意味判んない。」


「やはりな、どうもおかしい。」


「うん、韓国に入ってからずっとだよ。」

二人にしか分からない会話が続く。


「もしかすると、模倣犯とか?」


ウジンの可能性にライトは首を横に振った。


「いや、同一人物だと思う。全て計算されてる気がする。ただ、ここまで手がかりがないのは初めてだよ。まるで幽霊を相手にしてるみたいな?それに…。」


「それに?」


「今までがテストでこっちが本番なのかも。って。」


ライトの発言にウジンが目を見開きながら顔を上げた。


「そう言うことか!だから可笑しく感じるのか。」


「けど、…目的がよく分からない。」


そう言うとライトはベットに倒れ込むように体を預けた。




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