第17話

翌日、ミスティは空港に入った。

何時もより厳重な体制で情報も出ないようにしたにも関わらずなぜか空港には人だかりが出来ていた。


ファンだけでなくマスコミも駆けつけ空港はパニックだ。

ボディーガードの増員もむなしくメンバーが税関を通るまでは一苦労だった。

特にテヘとライト、ジェイはマスコミの質問責めに会い沈黙を貫く姿勢が後日話題となる程だった。


飛行機に乗り込んだメンバーはぐったりしていた。

マネージャーのヒョヌやスタッフも疲れが顔に出ていた。


事務所の要請でボディーガードが同行する事になり、責任者としてジフ、テソン、ウジンがついていた。


また、今回の事件で万全の態勢をとるため韓国警察は日本の警察に協力を求め、韓国から2名警察官も同行することとなった。


ほんの少しの休息を噛み締めるかのようにみんな終止無言のまま過ごしていた。


ほどなく日本に到着した。

空港にはすでに日本の警察が複数名動員し待っていた。


*「初めまして、日本にようこそ。警察官の井田です。」


井田は流暢な韓国語で出迎えた。


*「初めまして。ジュニョクです。こっちがスンハンです。韓国警察から来ました。よろしく。」


挨拶を交わしているとミスティのメンバーが次ぎ次ぎに出てきた。

すると回りにいたファンからの歓声が上がった。


緊張が走る。


人が多ければ多いほど危険が伴うからだ。

今日到着することは警察関係者にしか伝えていない。

にもかかわらずこの人数。

おかしい…。

韓国からきた警察官の二人も顔つきが変わった。


「行きましょう。」


井田の声掛けでジュニョクとスンハンも無言でうなずく。


警察官がミスティの先頭を歩く。


ライトはフードを深くかぶり少しうつむきながら歩いていた。


エリアロープのお陰でスムーズに通る事が出来たが油断は禁物だ。

神経を尖らせて移動する。


"異常なし"


久しぶりのからすの声に力が抜ける。


ライトは思わず安堵の息を吐いた。


後ろからシオンが耳元でささやいた。


*「大丈夫?」


(息を吐いたこと気づかれたか…)

ごまかすように軽いスマイルで答えた。


*「大丈夫だよ。」


その姿をファンが見逃すわけもなく黄色い歓声が上がった。


空港ロビーを出て用意されていた車に乗り込んでいく。


前後には警察車両がついていた。まるで<要人>扱いだ。

それもそのはず。

事件の事は日本でも大々的に取り上げられていたからだ。


宿泊ホテルに着き、各部屋に案内された。各一人部屋だがその階は貸切状態だ。当然、スタッフやマネージャーはもちろんの事、ボディーガードも韓国警察官の二人も同じ階に部屋があった。そうすることでエレベーターや非常階段など警備しやすくなる。


日本の警察は何かあれば連絡をといって戻って行った。


少しの時間をくつろいでいた。





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