第16話 疑問
カーチェイスの事件はニュースにもなっていた。朝からこの事ばかりが取り上げられていた。
当然、他のメンバーや会社にも連絡は入っており、急遽メンバー全員が会社に呼び出されていた。
会社側は、今回の事を重く受け止め、しばらく活動を休止しようと提案してきたのだ。
当然会社側にとって苦渋の決断だ。
今、乗りに乗っている"ミスティ"を
ストップさせれば人気は落ちるかも知れない。
アイドル達の人気はいつまで続くか分からない。
ちょっとしたことで落ちてしまうこともよくある話だ。
とても不安定な世界なのだ。
リーダーのテヘはしばらく沈黙した後苦しそうに言葉を絞り出す。
「そうですね…。わかり…」
「待って!」
止めたのはライトだった。
「休止は反対です。」
メンバー全員が驚いてライトをみた。
代表が眉間にシワを寄せながら少し起こった口調でライトに苦言した。
「やりたい気持ちは分かるが君たちの命の方が大事だろう?今は君が狙われているがいつ他の子が狙われるか分からない。最悪の事態を避けないと。」
ごもっともな意見だが、ライトは冷静に話した。
「確かにその通りです。でも今までの事は全て韓国国内で起こってます。
僕らは来週から日本ツアーが始まる。日本に行けば狙われないかも。」
ジェイがその言葉に反応した。
「そうだよ。日本でなら狙われないかも。」
最年少のジョハンが待ったをかける。
「もし、日本でも狙われたら?僕たちどうなるの?」
めったに話さないジフンが珍しく割り込んだ。
「難しいんじゃない。慣れない土地で犯行に移すの。」
「僕たちが韓国から出たら別のアイドルが狙われるんじゃ…。」
ドユンの言葉にそこにいた全員が沈黙した。
黙って聞いていた代表がライトを見て目が合うと判ったと言わんばかりに無理をしないことと出国まで厳重化することで続行することを承諾した。
しかも出発日をずらすことで情報を錯乱させる作戦をとり明日、日本行きが決まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます