第31話

手には真っ赤な血が付いていた。


叫び声でメンバーが我に返り大丈夫かと駆け寄ってくる。


観客席から悲鳴が一つ上がると次々に叫び声のような悲鳴の渦が響きわたる。


ゆっくりとライトが起き上がった。

頭を振りながら状況の確認をする。


"ジフンは?"


倒れているジフンの腕から血が流れている。


"撃たれた…くそッ"


腕であることに安堵しつつ心の中で悪態をつき他のメンバーを見た。


ジョハンはパニックになりながらもジフンを離さなかった。


ジェイは駆け寄り血が出ている腕を自分のTシャツを脱いで押さえている。


テヘは呆然と立ち尽くしていた。


そこにソングンとドユンが手伝いに入る。


観客はパニックで我先にと外に逃げ出していて、スタッフやボディーガードが誘導していた。


外にいた警備者やスタッフも中に入ろうとするが人々の出ようとする流れに阻まれ入ることすらできなかったのだ。


韓国警察のジュニョク、スンハンも警備に当たっていたため後方から近づくことが出来なかった。


"裏に連れていかなければ"


ライトは声を出そうとした時、気を失っていたジフンが意識を取り戻した。


*「痛って~…。」


メンバーの耳にうめき声が聞こえる。

ジフンはジョハンにしがみつくように服を掴んで痛みを耐えている。


ライトは立ち上がろうとしたが腕に力が入らず立ち上がれなかった。

腕には一筋の血が流れ出ていた。


ゆっくりともう一度力を入れる。

ドユンがライトの名前を呼びながら近づいてくるその太もも辺りに又、赤い点を見つけライトはおもいっきりドユンを引き寄せた。


「ドユン!!」




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