第32話
二人が倒れた場所の数センチ横に穴が空く。
覆い被さるように抱えていたドユンを押し出す様に突き放し固まるドユンに
ライトはおもいっきり大きな声で叫んだ。
「いけ!走れ!裏に早く!」
その声に他のメンバーも反応し、走り出した。同時にパスッという音と供に足元に穴が空く。
ジェイがジフンを無理矢理立たせ、ステージの奥へと走り出した。シオンはジョハンと立ちすくんでいるテヘを引っ張るように連れ出す。ドユンとソングンも走り出した。
会場にいるボディーガード達は未だ近づくことが出来ない。
ステージ裏にいるスタッフが走って逃げるメンバーをこっちだと呼び寄せ脇にかくれた。
テヘがいきなり止まり振り向いた。
*「ライト!早く!」
その声に反応するかのように体が動く。
回りには空を切る音が鳴り、頬をかすめる。
日本人スタッフも走れと声をかけてくれていた。
「アッ…。」
もう少しというところで足がもつれ頭からスライディングするかのように倒れ込んだ。
腰の辺りに激痛が走りじわりと熱い物が流れ出す。
『ライト!』
メンバーの声が聞こえたが体が動かない。激しい痛みを歯を食い縛り耐える。
前の方で足音が聞こえ頭を上げるとシオンがこっちに走って来る姿が見えた。
「来るな!」
血からの限り叫ぶがシオンが止まる様子がない。
(カラス!早くサジャに奴を見付けろって)
(分かってる。今やってる。カゲも探してる。ロウがこっちに向かってる!)
空を切る音が鳴り止んだ。
だが未だ安心は出来ない。
無理矢理体を起こしもつれる足取りでシオンに近づく。
又、空を切る音が鳴る。
いや、止まった…。
シオンにたどりつき抱えられながら皆のもとへ着いた。
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