第38話



「お前達、何者?」


そこにはカゲロウが立っていた。それにサジャももう一人を睨んでいる。遅れてロングコートのロウがゆっくりと近づく。


「救急隊員、じゃないね。」


サジャの言葉に被せるようにロウが言葉を吐き捨てる。


「くせーんだよ。お前ら。香水撒き散らしやがって!」


形勢逆転。


男達を3人で囲った。


男達は舌打ちをしロウとカゲに殴りかかった。


圧倒的にロウとカゲは強かった。


一発も当てることが出来ないまま殴り飛ばされたのだ。


奥から騒ぎを聞き付けた残りのメンバーやスタッフ達が集まってきた。


ライトは壁にもたれながらずり落ち小さい息を吐く。


ジフンがライトを支えるように肩を持った。


『ライト!!ジフン!!』


メンバーの声に男達も反応する。


床には蹴られ時に開いたであろう傷口から出た血がついていた。


「ライト!!しっかり!」


慌てるジフンにサジャが近くまで来て傷口を押さえるようにジフンに指示した。



男達は勝てないと悟ったのか二人とも逃げ出し外にあった黒いバンに飛び込むように乗り込み急発進するタイヤの音が鳴り響いた。


カゲが追いかけようとするのをロウが止めた。


「なんだよ!逃げられるだろうが!」


「バカ、あいつが先だ!」


指の先には気を失いサジャに抱えられたライト…アゲハがいた。


ぐったりしている姿にカゲは怒りが込み上げる。


入れ替わるように外には本物の救急車が数台到着した。

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