第37話
やり取りしている間に救急隊員がつき担架にライトを乗せた。
ジフンにも声をかけ歩くよう促す。
担架は救急車の止めてある外に向かって移動していた。
ライトは違和感と胸騒ぎで目を開けた。
"カラス!サジャは?"
"近くにいるよ。"
"悪い。偽物…"
その言葉に反応し、すぐさまサジャに伝えた。
そして、タイミングを見計らい外に出る少し前で担架から飛び降りた。
少し前を歩いていたジフンの腕をつかみ元来た道を走って戻る。
ジフンは驚き無言で走る。
ライトは脇腹を押さえながら必死に走ったが怪我人だ。
すぐに捕まえられたが腕を掴んだ男を蹴り飛ばした。
「ジフン!!走れ!」
訳の解らないままジフンは元きたみちを中に向かい走り出した。
次の瞬間ライトの腕が捕まれた。
ライトは身構えたが腕を掴んだのはジフンだった。
「行こう!」
ジフンに引っ張られるように二人走り出したが一人の隊員が前に立ちはだかる。後ろからは蹴り飛ばされた男が立ち上がり迫ってきた。
(どうする…。耐えろよ、俺の体…。)
前後から近づく男達にライトはジフンを背中に隠し拳に力を入れた。
蹴り飛ばされた男が体制を整え走り近づく。横の壁にジフンを突飛ばし男の拳を避け逆に殴りかかった。
その間にもう一人が既に近くまで来てライトの怪我した脇腹を蹴り飛ばす。
避けきれず激痛が走り壁に背中から打ち付けた。
「カハッ…!」
息が一瞬止まる。
いきなり目の前が暗くなった。
ジフンがライトの前に立ちはだかる。
「…ッ!よせ。」
ジフンがまさに殴られようとしたところで男の腕を掴んだ手が見えた。
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