第5話
今回の任務には難関があった。
ライトのメンバーにライトが入院していることを伝えていない。
アゲハがライトにすり変わるため知らせていない。知っているのは所属事務所の上層部のごく一部だけだ。
その為、長年一緒にやってきたメンバーにもばれないようにとご丁寧にも付け加えてあった。
そう簡単ではない。
むしろばれる確率の方が高い。
アゲハはため息しかでなかった。
仕方なくまずは自宅であるボロアパートに戻って荷造りをする。仕事柄いつ戻れるかわからない上、留守中なにかあって警察沙汰にでもなったら後々厄介なことになる。
だからアゲハはいつも荷物を最小限に押さえてる。もちろんテレビや冷蔵庫、洗濯機など大型家電もない。
あるのはわずかな衣類とPC,スマホのみだ。
簡単に荷物をまとめ、大家に連絡をとり解約する。
そしていつものコインロッカーに不要なものを預け必要なものを取り出す。
鍵をかけ銀行に移動、貸金庫に行きコインロッカーの鍵を預け、バスポートと現金を持って移動した。
ついたのは病院だった。
実は石本頼斗は日本の病院に居る。
秘密裏に移送されてきた。
マスコミやメンバーにバレないようにするためだった。
アゲハはライトの病室に入った。
酸素マスクを付け点滴を受けている自分そっくりなライトをみて不思議な感覚に陥った。
状況を知るためライトの頭に手を置く。そして静かに目を閉じる。
ライトの今までの経験や感情が早送りのように流れ込んできた。
一度も意識が戻っていない彼の顔を見つめながら呟く。
「捕まえてやるよ。」
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