第9話 恐怖
マネージャーのキム ヒョヌからもうすぐ着くとの連絡が入り、10分もたたない間に部屋に来た。
*「体調はどうだ?」
*「大丈夫。」
必要なものをバックにいれライトスタイルであるブラックコーデで車に乗り込む。
途中、ライトの好きなブラックコーヒーを買い、再び車に乗り込んだ。
同乗しているメンバーのドユンと供にスタジオの入口に着いた。
いつものようにファンに入待ちを受け車から降りると歓声が上がった。
先にドユンが降りライトが後に続く。
ライトは正面奥にいる男に気がついた。
ゆっくりと近づいてくる。
嫌な予感がした。
先に歩いているドユンに早足で近づく。
男も早足で近づきながらポケットに手を入れた。回りのスタッフが気がついたがすでに遅く間に合わない。
ライトは後ろからドユンの服を掴みおもいっきり引っ張った。
ドユンは後ろにふらついたがライトが覆い被さるように抱き締めた。
瞬間、脇腹から全身に痺れのようないたみが走った。
*「うっ…ッ。」
ライトの膝が崩れドユンの足元に倒れそうになる。
数人のスタッフが追いかけたが逃げてしまった。
騒ぎを聞きつけ中から数人のスタッフが出てくるとライトとドユンを取り囲んだ。マネージャーのヒョヌがライトを無理やり立たせ中へとつれていく。
ドユンは何が起こっているのか分からず呆然としている。
我に返ったファンから悲鳴が上がった。
それがきっかけとなり辺りは騒然となった。
ライトを無理やり引きずるように中にいれると入口をスタッフの一人が閉じた。
我に返ったドユンはスタッフを押し退け彼のもとにかけよった。
*「ライト!」
座り込むように崩れるライトの頭を抱き締めると今にも泣きそうな声でライトの様子を確認していた。
*「ライト、ライト、どこ?どこが痛い?怪我は?大丈夫?、」
捲し立てるように質問するがライトは答えない。
痛みをこらえているのか目を閉じ動かない。
マネージャーのヒョヌが腰に当てているライトの手を見つけ、無理やり服をめくった。
腰には赤くみみず腫れのような後が二つついていた。回りは赤黒くまるで焼けたかのような匂いまでしていた。
*「なんだよ、これ…。」
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