第10話

ドユンはライトをいっそう強く抱き締め、医者だ病院だと騒いでいた。

その声を聞きつけ、先についていたメンバーや後から来たメンバーが集まってきた。


「ライト!どうした?」


「ドユン、何があったの?」


メンバーの質問にドユンは泣きそうな顔で事の経緯を話した。


「ライトが僕を助けてくれた。」


リーダーのテヘがドユンの話を聞いて脇腹を見た。


「嘘だろ。これはひどい。病院へ行こう。」


だがライトはゆっくりと深呼吸した後、ドユンの肩に手を起き立ち上がった。


「部屋に。これ以上騒ぎを大きくしたくないから肩かして。」


「何言ってるの。その怪我でどうするつもり。」


同じ年のジェイが歩こうとするライトの腕をつかんで引き留めた。


「大丈夫。番組だけ乗り越えれば。」


そう言って歩き出すライトを誰も止めることが出来なかった。


ふらつくライトにジフンとソングンが肩を貸した。


控え室に着くと、スタッフが氷水とタオルを持って来てくれた。

ライトは直ぐにソファーに寝転びスタッフが冷やしてくれていた。


「イッテッ。くそッ。」


あまりの痛みに声が出てしまい悪態をつく。


メンバーはそれぞれ準備を始めたがドユンはずっとライトの側にいて手助けをしてくれた。


メイクのときも衣装に着替えるときも。

腰の怪我にガーゼ張り包帯を巻くときも

泣きそうな顔で…。


ドユンが女性なら間違いなく恋してるよ。


そんなことを思いながらおとなしくしたがっていた。


珍しくリーダーのテヘが近づいてきた。


「ダンス、ムリならサポートするから手を抜いて良いよ。」


いつも厳しいテヘらしからぬセリフに笑みがこぼれる。


彼なりの優しさなのだろう。

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