第11話

*「ミスティ。入ってください。」


声がかかり気合いを入れスタジオに向かう。

新曲披露でインタビューのあとにステージにたった。

複数のカメラがあらゆる角度で写す。

激しいダンスが始まり歓声が上がる。

メンバーは時々ライトを見て確認しているのが分かった。


だがライトなら手を抜くことはしないだろう。ライト本人なら…。


そう思い最後まで踊りきりポーズを取る。


だが、数秒後にライトは膝を着いた。


回りにメンバーが立ちライトを隠すように囲う。


テヘがライトを支え裏へ向かった。


*「すごいよ。良く頑張った。」


テヘの褒め言葉にニヤリとだけ見せた。


控え室に戻りソファーに寝転び休息を取った。


スタッフが痛み止めを持って来てくれたが飲む振りをして飲まなかった。


今は誰も信用できないからだ。


ミスティは歌番組で1位だった。


メンバーの手を借り再度ステージに立つとダンスをせずに歌いきった。


帰る際は回りでメンバーがうごいてくれていた。


着替えの為、服を脱ぐと脇腹が腫れあがっていた。一通り終わると、最年少のジョハンが泣きそうな顔をしながら手を握り支えてくれた。


メンバーのシオンがライトの荷物を自分の肩にかけ先に歩き出した。


楽屋から外に出るまで沢山のスタッフとボディーガードに囲われて移動するミスティのメンバーには疲れと不安そうな表情ばかりだった。


メンバーのなかにはキョロキョロと落ち着かないものも居た。


いつ又、襲われるかも知れない恐怖と毎日闘っているのだ。

現に今日もドユンが襲われた。怪我をしたのはかばったライトだったが。


迎えの黒いバンにテヘとジェイとライトが一緒に乗り込んだ。

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