第8話

ライトとして潜入してから4日が過ぎようとしていた。

資料を読んだかぎり確かに日本人が狙われている様だ。ライトである自分もすでに何度も危ない目に合った。だが、ライトは気になっていた。今まで襲われたアイドル達とはなにかが違う気がするからだ。


(なんだ、この変な感じ。)


部屋で一人、考えていた。


(なんか引っ掛かる。

しかも、どんどんエスカレートしている。)


今まではあくまでも《外側》で起こっていた。

中に入り込んでいる気がする。

おそらく関係者か関係者を装っているか、あるいは協力者がいるか。


明日は歌番組の収録でスタジオに向かうことになっている。

今のところメンバーにはバレていない。

だが、リーダーのテヘは何かを感じているのかあまり近づいてこない。

情報ではかなり仲の良い存在の筈。


メンバーは全員とても良い奴ばかりだ。

気さくで優しい、性格は色々だが明るく一定の距離感を持っている、居心地の良いチームだ。

だからこそ、細心の注意が必要である。

どんなにアゲハの疑似能力が高くても、仲が良ければ良いほどばれる可能性が高まる。


(気を引き締めないとな。)


ひとときの休息をとるかのように目蓋を閉じた。

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